梅雨の晴れ間の日差しが夏を感じさせる今日この頃。紫外線の量のピークは7~8月ではあるものの、6月頃から一気に増加。曇り空の日でも紫外線は降り注いでいるため、真夏になる前のこの時期から日焼け対策が必要だ。
紫外線には紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)がある。UVAはしわ・たるみの原因になるほか、メラニンを黒くし、UVBはシミ・そばかすの原因に。
(出典:ウェザーニュース)
夏でもマスクが手放せない今年は特に、顔の上半分だけ日焼けしてしまう「マスク日焼け」に注意。肌が露出している部分と比較すると、マスク装着部分の方が肌に浴びる紫外線量が少なくなるため、日焼けの色に差が出てしまうのだ。
また、きちんと日焼け止めを塗っていても、マスクのこすれでとれてしまうこともあるので油断禁物。
このように日焼け止めを塗っていれば安心、という訳にもいかない日焼け対策。うっかり焼けを防ぐためにも、今年は身体の内側、食事の内容から日焼け対策にアプローチしてみてはいかがだろうか。
食べて日焼けを予防できるのはコレ!
効果的な”赤い”食材3選
1.トマト
サラダ、スープ、煮込み料理など、使える幅が広くさまざまな料理に取り入れやすいトマト。
トマトの赤い色素成分であるリコピンは抗酸化作用があり、紫外線によって発生する活性酸素を消去するため、予防にも日焼け後のケアにも効果がある。シミやしわ、たるみの原因となる光老化の予防が期待できるそうだ。
カゴメ株式会社がおこなった実験では、被験者75名に、12mgのリコピンを含むトマトジュース、24mg以上のリコピンを含む高リコピントマトジュース、対照として2mg以下のリコピンを含むトマト漿液飲料*1 のいずれかを1日160g、12週間摂取してもらい、上腕の内側に紫外線を照射した後の肌のメラニン量(メラニン・インデックス)を経時的に測定することで肌の色調を評価した。
その結果、トマトジュース(トマトジュース、高リコピントマトジュース)を飲んだ方は、対照群であるトマト漿液飲料を飲んだ方に比べて紫外線を浴びることにより暗くなった肌の色調の回復が促進されることがわかった。(図1)
生でも加工しても美味しく食べられるトマトだが、より強力な日焼け予防効果を求める場合はジュースで身体に取り入れるのがオススメ。
野菜や果実などの植物に備わっている強固な「細胞壁」を壊して摂取することで栄養の吸収率がアップするといわれている。ミキサーにかけたり、すりつぶすことで細胞壁が壊れるため、生のまま食べるよりもリコピンの吸収率が上がるのだ。トマトジュースで摂取する方が3.8倍吸収率が上がるという驚きの研究結果も。
(出典:カゴメ株式会社)
*1:リコピンをほとんど含まないトマトジュースの透明な上澄み液のこと。
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2.ニンジン
ニンジンにはβ-カロテンという成分が豊富に含まれている。β-カロテンは体内でビタミンAに変わるのだが、このビタミンAには強い抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を保護する働き、また肌のターンオーバーを促す働きがある。
ひとつ注意しておきたいのが調理方法。生のにんじんにはビタミンCを壊す酵素アスコルビナーゼが含まれており、にんじん自身のビタミンCのみならず、一緒に食べた食材のビタミンCまでも破壊してしまう。せっかくの貴重な栄養素を最大限に摂取するためにも、覚えておきたい。
ちなみに、アスコルビナーゼは熱に弱いので、さっと加熱してから食べれば問題なし。さらに油と合わせて摂ることでβ-カロテンの吸収も良くなるので、炒め物が最適だ。
(出典:ダイヤモンドオンライン)
3.スイカ
夏が旬の果物だからこそ、この時期に身体に必要な栄養素がたっぷり。強い抗酸化作用やメラニン色素の生成を抑制する効果を持つビタミンCが豊富に含まれているほか、これまでに紹介したリコピンやβ-カロテンも含まれている。
水分が多く夏バテ気味の身体でも食べやすい上、暑さで火照った身体を冷やしてくれるうれしい効果も。
そのまま食べても、シャーベットやゼリー、ジュースにアレンジしても美味しくいただけるので、この時期の食後のデザートにピッタリ。
(出典:ウェザーニュース)
外出前は避けておきたい 食べると逆効果の食材
日焼け予防に効果的な食材がある一方で、実は紫外線を浴びる前に食べると日焼けを悪化させてしまう食材もあるのでご注意。
それらに共通して含まれている成分はソラレン(=光毒性物質)。紫外線を吸収し、日焼けやシミのリスクを高めてしまう危険性がある。どれだけ念入りに対策していても、ソラレンをたくさん摂取してしまい効果が感じられなかった…なんてことがないように気を付けたいものだ。
ソラレンが含まれるのは、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系、イチジク、セロリ、パセリなどのセリ科の野菜やきゅうりなど。
もちろん、これらの食材も栄養や美容の観点で効果があるものばかりなので、紫外線を浴びない夜に食べるのがオススメだ。
(出典:ウェザーニュース、BOTANICA)
食事によって身体の内側から働きかける日焼け対策。日焼け止めやサングラスの装着など、外側からの対策にプラスすることでより効果を発揮するので、意識的に取り入れてみてほしい。