ウマイだけじゃない旬の味覚!
秋のカラダを守る健康食材5つ

連載|管理栄養士ほっけの「賢く男メシ」

読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋……秋は過ごしやすい時期。どれもゆっくりしっかり楽しみたいものだが、秋は夏の疲れも出やすく、空気も乾燥しはじめ、風邪をひきやすい季節でもある。体調が悪ければ楽しむものも楽しめない。健康管理をしっかりして、この秋を満喫したいところ。

 

そこで役立つのが、秋が旬の食材。今の季節から楽しめる芋類や果物、魚などは、栄養たっぷりのものが多い。普段の食事にうまく取り入れて、夏の疲れを回復し、冬の寒さに備えよう。

 

 

免疫力アップ効果あり!実はダイエットにも◎【さつまいも】

 

抗酸化作用があるビタミンC、Eが豊富。熱で壊れやすいビタミンCだが、さつまいもに含まれるビタミンCはでんぷんに包まれているため、加熱しても壊れにくいのが特徴。主成分はでんぷん(炭水化物)だが、コメや麦に比べるとエネルギーは1/3程度なので、体重を気にする人でもおすすめの食材だ。

 

【一口メモ】

さつまいもはゆっくり加熱することで甘みが増すため、低温調理の石焼き芋や、蒸かし芋がおいしい。反対に電子レンジは急速に加熱するから甘みが少なくなる。

 

 

皮膚や粘膜を丈夫にする!【かぼちゃ】

 

緑黄色野菜の優秀なかぼちゃ。皮膚や粘膜を丈夫にするβカロテンが豊富だ。また、体温上昇効果もあるため、悪寒を感じたり冷えやすい人は積極的に取りたい食材。

 

【一口メモ】

皮は果肉以上に栄養が豊富なので皮ごと食べるようにしよう。皮ごと入れたかぼちゃコロッケは栄養の吸収率もアップするのでおすすめ!

 

 

栄養価が高い木の実。食べ過ぎには注意【栗】

 

エネルギー源となる炭水化物のほかに、疲労回復を促すビタミンB1やビタミンCなど様々な栄養素を含んでいる。栄養価が高いため、イモ類よりも高カロリーなので、おいしい栗ご飯やモンブランなどは食べ過ぎには気をつけたい。

 

【一口メモ】

渋皮(内側の皮)にはがんの予防効果が期待されるタンニンや食物繊維が含まれている。すべて剥いてある栗もおいしいが、渋皮煮も旬が楽しめる。

 

 

みかんの2倍のビタミンC!乾燥肌改善効果【柿】

 

「柿が赤くなれば医者が青くなる」ということわざがあるほど、栄養たっぷりの柿。βカロテンやミネラル、たっぷりのビタミンCが肌の健康を保つのに役立つ。柿の渋みはタンニンの一種によるもので、血圧改善効果も。

 

【一口メモ】

柿は体を冷やすので、おなかが冷えているときや体調が悪い時には注意しよう。

 

 

良質のあぶらが豊富な優秀食材【さんま】

 

青魚であるさんまは脂質のEPA・DHAなどの脂肪酸が豊富。生活習慣予防にも役立ち、脳の働きにも効果がある。「疲れてぼーっとしてしまう……」という日にはさんまがおすすめだ。内臓には皮膚や粘膜を丈夫にし、眼精疲労を緩和するレチノールが多いのでパソコン仕事が多い人はぜひ食べてみよう。

 

【一口メモ】

さんまは大根おろしとの組み合わせが◎。大根の消化酵素は、魚の焦げに含まれる発がん性物質を分解したり、消化吸収を助ける役割がある。たっぷりのせて食べよう。

 

 

いかがだっただろうか? 秋の食べ物はおいしいだけではなく、夏の暑さで疲労した体を回復し、寒い冬に備えることができるのだ。気温の変化が大きく、インフルエンザも流行りだす今の時期には、旬の食べ物で体の調子を整えよう。

 

 

ほっけ

管理栄養士。病院、クリニック、企業でのメタボ指導、栄養指導を3,000人以上経験。病気の一次予防の重要性を感じ、若年層への食事や運動の見直しや気付き、改善へと導く提案を発信。

 

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