定期的に髪型は変えているのに、使っているのはいつも同じスタイリング剤……そんな男たちは意外に多いようで、せっかくのヘアスタイルを活かせてないという声も。そこで今回は、東京・銀座の人気ヘアサロン『drive for garden』のデザイナーJEROさんにスタイリング剤の選び方について教えてもらった。
ツヤ派はジェル、マット派はワックス
そもそもヘアスタイリング剤はなぜ必要なのか?
「男性のショートヘアは何もしないといかにも洗いっぱなしの印象になりがちなので、何かしらつけたほうがいいと思います。ちょっとつけただけで、束感が出て、動きのある毛流れができるので、一気に格好良くなりますよ。では、何をつけたらいいのかですが、ひと口に『ヘアスタイリング剤』といっても、その種類は様々で、かつそれぞれに特長があります。ワックスやジェル、グリース、ポマード、スプレーなどが一般的ですが、最近は『ワックス』と『ジェル』が2強です。その使い分けは質感。ツヤが欲しいかマットな質感が欲しいかによります」(JEROさん、以下同)
一般的にマットな仕上がり。粘りのある繊維が髪と髪をくっつけ、ボリューム感を調節。髪に毛束感を出したり、動きのあるスタイリングに。髪を固め過ぎないので、後から手直しも可能。
髪をタイトにまとめ、ツヤのある仕上がり。濡れた髪に使用。乾くまでの間に髪同士が強力にくっつくので、くせがつきやすく崩れにくい。部分的に毛束感を出したり、立ち上げたりする時に◎。
ツヤのある仕上がりは他にグリースやポマードなどがあり、スプレーもどちらかというとツヤ寄りだという。また、最近だとスタイリング剤の代わりに洗い流さないタイプのトリートメントを使う男性も増えている。特に人気なのはヘアオイルで、マットなワックスと混ぜて使うことで、ジェルとワックスの中間くらいの質感を作れる。
質感以外のポイントで使分けるなら?
「忙しいビジネスマンの男性にとって、使い勝手の良さはポイントになりますね。その点ではジェルが一歩リード。実際、最近はジェル派がすごく増えています。タオルドライ後の半乾きの状態で使用するジェルは、とにかくラク。ドライヤー不要なので、あっという間にスタイリングが完成します」
ではセット力はどちらの方が強いのだろう。
「以前は、ジェルよりもワックスの方が固まりやすい印象でしたが、最近はソフトからハードまで種類をそろえているブランドも多く、あまり差がなくなりました。その分、何を使うべきか見分けるのが困難になったとも言えます。どちらも種類はたくさんありますし、例えば同じハードでもメーカーによって固さは様々なので、髪を切った時に美容師に相談するのがベストだと思います」
薄毛にジェルは要注意?
スタイリング剤を選ぶ時、自分の髪質を考慮したほうが良いのだろうか。
「考慮すべきは、髪質よりも毛量です。ワックスはわりとオールマイティですが、ジェルは要注意。濡れた状態で固まるジェルは、どちらかというとタイトに仕上がるため、多毛の人にとってはボリュームが程良く抑えられて良いのですが、逆に、薄毛の人は地肌が透けて見え、より薄い感じになってしまうのです。もし薄毛の人がジェルを使う場合は、量を少なめにして下さい。ワックスの場合も、ハードなタイプだと束感が出過ぎて地肌が透けてしまうので、ソフト~ミディアムのものをオススメします」
ちなみに、男性の髪は女性に比べ太くて硬いため、ソフトタイプのワックスだとセット力に欠けることも。また、髪を切ったばかりであれば、ジェルでもワックスでもどちらでも大丈夫だが、時間と共に髪のボリュームが増えてくると、ジェルのほうが適しているという。
というわけで、まとめてみた。
【仕上がり】
・マットな質感を求めるなら「ワックス」
・ツヤ感を重視するなら「ジェル」
・マットとツヤの両方を叶えたいなら「ワックス」+「ヘアオイル」
【セット力】
・「ワックス」「ジェル」共にタイプによる
【毛量】
・薄毛には「ワックス」
・多毛には「ジェル」
【手間】
・タオルドライで使用するなら「ジェル」
■関連記事
画像/Eduardo Gaviña 取材・文/染谷晴美
【GROOMENオススメ! ヘアワックスはコレ】
ビジネスマン必見大人カッコイイを作るアイテム「ELEVATE 10F」