雨の日が続いてジメジメした高温多湿の梅雨どきはヘアスタイルに悩みも抱えている人も多いだろう。雨の日はとくに「くせ毛」に困りがち。くせ毛には「うねり」「直毛」「生えぐせ」などさまざまなタイプがあるが、ここでは「うねり」「チリチリになる」「髪のまとまりが悪くなる」といったくせに着目してケア方法をお届けしよう。
髪が広がる、うねるのは「水素結合」が原因
「とくに梅雨の時期になると、『くせ毛で髪が広がる、まとまらない』といった悩みが出てくる方が多いですね。朝しっかりブローをしても、なぜそうなってしまうのかと言うと、 空気中の水分などを髪が吸収してしまうからなんです。髪は水分を含むと元の形に戻ってしまう性質があるため、雨や湿気、自分の発する汗などが増える梅雨どきは特にくせが出やすくなるんです」
くせを抑えるには水分と油分のバランスが鍵。使う洗髪料を見直そう!
「くせをなるべく抑えるには、ベースの段階で水分・油分のバランスを整えておくことが大切。男性はシャンプーのあとトリートメントをつけない方が多いのですが、洗いざらしの髪は洗顔後に何もしない肌と同じ、つまりドライな状態です。
髪が水分や油分を欲している状態に、ワックスなどスタイリング剤をつけたとしても、その効果は半減。くせ毛に悩んでいる方の中でコンディショナーやトリートメントは使っていないという方は、ぜひ一度使ってみてください。
ただ、男性はショートヘアの場合が多いので、あまりしっとりさせすぎると、その後のスタイリングに苦労する場合も。軟毛で立たせたい、という方は軽めのオイルを使ったり、広がりを抑えたいのならしっとりタイプのシャンプー&コンディショナーにするなど、洗髪の段階である程度くせ予防をするのもひとつの方法です」
自分でできる改善策。ブローやスタイリング時の簡単な方法とコツでくせ毛に対抗できる
「洗髪後に髪を乾かすときやスタイリングするときに、くせを抑えるコツもあります。例えば、前髪やポイント部分のうねりが気になる場合は、そこだけ部分的にストレートアイロンを使うのも効果的です。
また、ブローでそこまで手間はかけられない、いう方は髪を乾かすときに少しだけ工夫するだけで、まとまりやすくすることもできます。髪に形がつくタイミングは2回あります。ひとつは濡れている状態が乾くとき、もうひとつは熱を加えて冷めたとき。例えばトップを立たせたいのなら、ただ乾かすだけじゃなく、立たせたいところを手やブラシなどで起こして熱を加えて、起こしたまま冷ましてください。前髪も同様に、引っ張って熱を加え、冷めるまでは引っ張ったままにしておく。時間にしてわずか5秒〜10秒で十分なので、簡単にまとめやすくなるのでおすすめです」
サロンのストレートパーマやカットに頼ると時短に
「ブローしてもうまくまとまらない、という方は、サロンでストレートパーマを部分的かけるのがおすすめですね。梅雨の時期や夏は朝ブローでまっすぐにしても、額の汗などでくせが戻ってしまいますからね。梅雨の時期だけでもストレートパーマをかけると楽になると思います。まだまだ、男性の方にとってパーマは一般的ではないのですが、時短になりますし、髪へのダメージも少なくて済みます。
また、髪が伸びるとくせが出やすくなることが多いですから、梅雨どきから夏の間は普段よりマメにサロンへ通ってカットすることで対策することも有効ですよ」
取材・文/有住美慧
お話を伺ったのはこの方
山下祥央さん Of the BARBER 店長。トップスタイリスト、スパセラピストとして勤務し、オリジナル商品開発も手がける。オブザバーバーはヘアスタイルだけでなく、フェイシャルケア、ネイルケアをはじめ隅々まで行き届いた、”大人の身だしなみ"を整えてくれるバーバー。Of the BARBER