男の身だしなみにとって、日々の悩みのタネは衣類のシワ問題だ。
スーツやシャツにシワがあるだけで、商談前に気になって自信のある印象を相手に与えられなかったりと、実は仕事以前に気をつけておきたい重要項目なのだ。
またプライベートでも、出かける前にセーターのたたみジワを見つけてがっかり、なんていう経験もあるだろう。
そんな男たちの悩みを解決するべく、普段のビジネススタイルはもちろんのこと、男の着こなしを格上げする衣類のケア方法を、麻布テーラーの篠塚さんにレクチャーして頂いた。
撮影中、普段スーツを着ているGROOMEN編集部の男性スタッフ陣も思わず「なるほど~」と感心した、目からウロコの"簡単テクニック"をお見逃しなく!
着こなしを極めた男たちは電車でも「シワになるから座らない」
麻布テーラー・プレス 篠塚剛さん
親しみやすい笑顔がなんとも素敵な彼だが、30代半ばにしてその佇まいには紳士的な風格が滲み出ている。仕立てのいい麻布テーラーのスーツの質のよさはもちろんだが、理由はそれだけではない。衣類のケアの仕方にテーラー流の秘密があったのだ。
「街で気になるのが、細身のスーツに身を包んだ方たち。確かに細身のシルエットはかっこよさのひとつではあるけど、ただ細くみえてしまってはもったいない。たとえば胸筋だったり肩周りだったり、体格をよく見せるシルエット作りを意識するとより大人の余裕が溢れる着こなしに変わると思います」
なるほど、大人の余裕を醸し出すにはシルエットを見直してみるといい。
衣類ケアにおいても、シルエットを活かすことが大切だと篠塚氏は言う。
「ネクタイもスーツの襟も、平面的にプレスしてしまうと、表情を失ってしまうんです。たとえばネクタイも結目のあたりをプレスしすぎないでふんわり立体的に仕上げることでエレガントな印象になるのでぜひ試していただきたいですね」
スーツのシワも気をつけるべき重要なポイントだと篠塚氏は言う。
「矢面に出てご活躍されている人ほど、シワに対する意識は高いんです。スーツの背面につく座りジワって意外と目立つんです。だから電車に乗るときも、座らないでビシッと立っている人も多い」
そんな篠塚氏もシワには人一倍気を遣っているという。
「僕も毎日アイロンをかけています。もう習慣になりましたね。テレビを見ながらパパッとやっています」
たかが衣類ケア、されど衣類ケアである。
忙しい男たちにパナソニック「衣類スチーマー」という時短アイテム
とはいえ、毎日アイロンをかけるのは大変だ。アイロン台を出すのも手間がかかるし、うまくかけられず苦戦する人も多いことだろう。
そんな悩みを解決してくれるのが、パナソニックの「衣類スチーマー」だ。
使い方は簡単。水道水を専用カップから本体のタンクに入れ、電源をオンするだけ。
立ち上がりは約24秒と早く、たっぷりのスチームが安定して出る連続・パワフルスチームと、スチームが広がりやすいワイドスチーム設計だから、忙しい朝の時間や出かける直前にも短時間で衣類のケアができるのだ。
実際に篠塚さんに試してもらったところ、初心者でも使いこなせると太鼓判。
「アイロンは手間がかかりますが、衣類スチーマーならコンパクトだしハンガーにかけたままケアできるので、日常に取り入れやすいですね。忙しい方にもぴったりだと思います。それにいろいろな素材に対応しているところもいいですね」
流行りのベルベットやウールやカシミヤ、シルクといった繊細な素材はアイロン面を離してスチームをあてたり、当て布のうえから使ってケアするのがポイント。さらに気になるタバコのニオイや焼肉などの飲食臭も衣類スチーマーの力でケアできるのもうれしい。
そんな衣類スチーマーで、今季注目のアイテムをどうケアしたらいいのか、テーラーならではの技を交えて教えてもらった。
ワイシャツは「衿・袖口・前身」を押さえればパリッとする
「冬場はジャケットを着るので、ジャケットから覗く部分だけをきちんとケアすればOK。具体的には衿、袖口、前身の3点ですね」
衣類スチーマーなら、ハンガーにかけたまま上から下にスチームをあてるだけで、あっという間に伸びシワを伸ばすことができる。ボタンが邪魔してシワを伸ばすのが難しい袖口部分もスチームをあてるだけでいいから簡単だ。
向かって右側がスチーマーをかけた部分。左側がかけていない部分。その差は一目瞭然だ。ワイシャツ1枚かけるのに約1分もかからないので、忙しい朝は助かりそうだ。
ジャケットは立体感を大切にして、胸板を美しくみせる
ジャケットの着こなしで一番残念なのは、“ジャケットのラぺル(衿部分)をペタっとさせてしまうこと”だと篠塚氏は言う。
「ラペル(衿)のロールがふんわり立体的だと、胸板をきれいに見せてくれるんです。でも、クリーニングに出すと胸元の衿の部分を平面的に仕上げられてしまうことが多いので、僕は自宅でケアするのをオススメします。アイロン面を少し当てながらスチームで仕上げるのがコツです」
衣類スチーマーなら、あらゆる素材に対応しているので自宅ケアにもってこいだ。
「このジャケットはツイード素材なんですけど、スチームなら優しくケアできますし、匂いもケアできるところがいいですね」
「1日の終わりにケアしたいのは、腕と腰の部分。デスクワークをしているとこの部分にシワがつくので注意してみてほしい」
と篠塚氏。
ニットは悪目立ちする「たたみジワ」にご用心
「ニットはハンギングしちゃうと伸びてしまうので、たたんで収納するのがベスト。だからたたみジワのケアが大切です」
衣類スチーマーなら、ウールやカシミヤ素材もケアできる。
アイロン面を衣類から約1cmほどはなして均等にあてていくと、シワが伸びるだけでなく、ふんわりした素材感もよみがえるよう。さらにスチームの力で気になるニオイもケア。
「高頻度で洗えないものだからこそ、気になるニオイまでケアできるのはうれしいですね」
プレス機能でパンツのシルエットも整えられる
「パンツはまずは吊るして全体的にスチームを当てます。まずは細かいシワや膝裏のシワを伸ばしてあげましょう。さらにシルエットを作るにはプレスが効果抜群。ウール素材なので当て布をしてプレスします」
この2段技でケアすれば常に新品のような風合いを保てそうだ。
アイロンで全体を伸ばそうと頑張ると、素材がテカテカしてしまうこともありますが衣類スチーマーならそんな心配とも無縁だ。
シルクのネクタイも、ふんわり仕上がる
ネクタイもジャケットと一緒で、立体感を出すと表情が出やすいそう。
「胸元はふんわりと立体感があるとエレガントさと貫禄が出ます。だからピシッと折り目が付かないほうがいいんです」
自宅にはネクタイのコレクションが50本以上あるという篠塚氏。専用ハンガーにかけてズラリとならんでいるそう。
「衣類スチーマーなら、アイロン面を浮かせてスチームをあてればシルク素材のネクタイもケアできますし、ハンガーにかけたまま大量のネクタイを一気にケアできていいですね」
と興奮気味に語ってくれた。
高頻度で洗えない冬小物こそ、ケアをぬかりなく
マフラーや手袋など冬の小物は気軽に洗えないものばかり。
だからこそホームケアが大切だ。篠塚さんはどんなケアをしているのだろうか。
「冬小物は使用頻度が高いのに、洗う頻度は少ないから日常的にケアします。僕は帰宅したら、シューッとスチームを当てています」
今日のコーディネートに合わせたマフラーも、ケアに余念がない。
「ネクタイをしたうえからマフラーを巻くと重くなってしまうので、あえてマフラーは垂らすだけ。後ろが隠れているだけであったかいですし、スタイルアップもできます。でもシワがあると台無しになってしまうからホームケアは必須ですね」
これから輝くクリスマスシーンの到来。
ビジネスシーンだけでなく、プライベートでもチャンスを掴み取りたい。
そんなとき、大人の余裕ただよう装いでキメられたら…。
その鍵は、衣類のホームケアにある。
外見がよくても中身のない女はつまらないように、勢いがあっても装いのだらしない男は信頼されにくい。衣類のケアを見直すことは、男を上げる大いなる一歩となるというもの。
衣類ケアにこだわりがある人はもちろん、まずはシワケアからスタートしたいという人もパナソニックの衣類スチーマーは心強いツールになるだろう。
「一歩上の自分」を手に入れたら、この冬をもっと満喫できそうだ。
撮影協力・麻布テーラー二子玉川店(03-3700-8175)
撮影/松島徹
取材・文/諫山由梨子