現在、国内100万人以上(全日本ヨガ協会調べ)といわれるヨガ人口。ゆっくりとした動きでのんびりと行うイメージがあるヨガだが、今回注目するのはより運動量の多い“パワーヨガ”だ。パワーヨガとは、インドのアシュタンガヨガをベースに、筋肉トレーニングと瞑想的な要素を強化したヨガスタイルのこと。高いシェイプアップ効果に期待できそうなパワーヨガレッスンに、運動不足かつ、ヨガ初体験かつ、女である筆者が潜入した。
明るい雰囲気でヨガレッスンがスタート
訪れたのは東京・表参道駅から徒歩2分という好立地にある『K YOGA STUDIO』。今回選んだのは毎週月・土曜日開講のパワーヨガクラスだ。
スタジオに入ると、窓から日差しがたっぷりと降り注ぐ開放感のある空間が広がる。レッスン開始前には講師と参加者が楽しく談笑する声が響き、明るくアットホームな雰囲気だ。講師を務めるのは、ヨガ指導者向けのクラスも受け持つベテランインストラクターのMizue先生。筆者を含め10人ほどの参加者に対し、まずは雑談を交えながらヨガの楽しみ方を教えてくれる。
「私が言うこと全部を無理してやらなくてもいいんですよ。ポーズをとってみて呼吸が乱れたり体が辛くなったりしたら、自分が無理なくできるようアレンジして下さいね」
先生からのアドバイスに内心ホッとしつつ、レッスンスタート。まずは両手両膝を床につけてお腹を丸める、顔を上げて背中をそらす、の動きを呼吸に合わせて交互に行う「キャット&カウ」と呼ばれるポーズなど、最初の5分ほどは初心者の筆者でも難なくポーズをとることができた。しかしここから先生の指導も徐々にテンポアップ。いよいよパワーヨガの本番が始まった。
難易度アップのポーズの数々、ついていくだけで精いっぱい!
両手両足を床につけてお尻を高く上げる「ダウンドッグ」、両手両つま先のみ床につけて上半身を反らす「アップドッグ」、腕立て伏せのようなポーズをとる「チャトランガ」、片足で立って、両手を後ろに伸ばし胸を反らす「デカーサナ」など、腹筋、背筋を大きく使うポーズをノンストップでとっていると、運動不足の筆者はわずか15分ほどで息が上がり始めた。しかしまだレッスンは始まったばかり。空気椅子のようなポーズ「ウッカターサナ」や、正座の状態から両膝を浮かせ、両手のみで体を支える「カラスのポーズ」など、難易度の高いポーズが次々と展開される。Mizue先生は参加者たちの間を歩きながら「膝が床につかないように!」「息するの忘れてない?」と発破をかける。たしかにポーズに集中するあまり息を止めてしまうことがあり、呼吸を整えることの難しさを知った。動きについていけずに休んでしまうこともあったが、レッスンの初めに指導があったように、ヨガは周りに合わせて無理をする必要はない。先生もポーズが変わるごとに「キツかったら無理しないで」「自分のタイミングで休憩してね」と繰り返している。
40分ほどかけてアクティブなポーズが終わると、暖房の効いていない室内だというのにすっかり汗だくになっていた。
ゆるやかな動きから瞑想へ
後半は仰向けになって行う比較的穏やかなポーズへと移り、先生も声を落として優しく語り掛けるようにレクチャー。ゆっくりと体を伸ばし、活発に動いた筋肉をクールダウンさせる。そしてラストは「しかばねのポーズ」で瞑想の時間。仰向けになり、両手両足を自然に開いて目を閉じる(本来このポーズをとる時は呼吸と自分の内面に意識を向けなければいけないのだが、あまりの心地よさに筆者はつい眠ってしまった)。5分後に起き上がり、最後に両手を合わせ全員で「ナマステ(ありがとう)」と唱和してレッスンは終了した。
パワーヨガはたしかにキツイ。キツイのだが、普段使わない筋肉を気持ちよく伸ばせたことで、終わった後は頭も体もスッキリするのを感じた。そして何と言ってもMizue先生の明るい指導のおかげでスタジオには笑いが絶えず、体を動かすことの楽しさを再確認できるレッスンだった。
普通のヨガでは物足りない、思いっきり体を動かしたいというグルーメン諸君、冬の寒さを忘れるパワフルなヨガを是非一度体験してみて欲しい。Mizue先生が毎週土曜日に指導するメンズパワーヨガクラス『男性限定、ご飯をおいしく食べるヨガ』も開講中なので、女性と一緒にやるのは気恥ずかしいという男性はこちらのクラスを受けてみるのもいいだろう。
メンズヨガクラスの様子(写真提供:K YOGA STUDIO)
東京都渋谷区神宮前4-3-15 東京セントラル表参道120号
TEL.090-4202-4076 (電話受付時間:9時~22時)
料金:1レッスン1800円、初回体験1800円、月謝・入会金無料
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写真/The Well Report 文/芳賀直美(OUTSIDERS Inc.)