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自分の生き残りをクローン培養?
最先端技術“毛髪再生医療”

「薄毛」というキーワードを他人事のように感じていたのは、もう過去の話。かつら、植毛、育毛など、脱毛症や薄毛に関連する市場規模が約2,000億円程度と推察される中、薄毛は一部の人が抱える“悩み”ではなく、すべてのビジネスマンにとっての“関心事”といっても過言ではない状況だ。そんな中、興味深いニュースを見つけたので、ここで紹介したい。

 

2014年5月、資生堂は兵庫県・神戸医療産業都市に「資生堂細胞加工培養センター(SPEC)」を開設した。すでに資生堂は、2013年5月にカナダのバイオベンチャー企業・レプリセル社と「毛髪再生医療技術」導入における技術提携契約に合意しており、同センターはその事業化に向けた研究開発の中核として、細胞の培養・加工を行う場所と位置付けている。

 

レプリセル社は10年間におよぶ臨床研究などを経て、安全性のある最先端の毛髪再生・特許技術を開発。脱毛症や薄毛で悩む人の頭皮から採取した「底部毛根鞘細胞」を培養し、脱毛部位に移植することで、脱毛部位の損傷した毛皮を再活性化。これによって、健康な毛髪の成長を促す「自家細胞移植技術」を実現した。

 

なんだが難しそうな話だが、つまりは「生きた自分の毛根を取り出してクローンを作り、脱毛部位に移植すると、毛が生えてくる」ということ。切除するのは円形5ミリ程度なので、これまでの植毛技術のように広範囲の頭皮の切除は不要だという。さらに、自分の細胞を培養したものだけに移植に際してのリスクも小さく、一度の施術で効果の持続が期待できるなど、この技術を利用するメリットは多く、長年にわたる頭皮、毛髪の研究に携わる資生堂との技術提携は、業界からの注目を集めている。

 

頭皮の汚れを洗い流す“予防”や、弱った頭髪や毛根に栄養を与える“促進”に加え、毛髪自体の“再生”を促す技術も研究されている最近の薄毛事情。これまでの悩みは何だったのかと思える時代が来るのも、そう遠くはなさそう……いや、1日も早い開発を待っています。

 

■参考リンク

資生堂 男性のための化粧品特集

 

文/中村 慶