ムラにならない、ヒリヒリしない
男の正しい日焼け止めの塗り方

これまでグルーメンでも度々「男にも日焼け止めは必須」と紹介してきた。しかし、グルーメンが独自に行った読者アンケートによれば、「日焼け止めの正しい使い方」をできていないことによる“トラブル”を経験している男たちが意外に多い。早速だが、読者アンケートに寄せられた男たちの日焼けトラブルをいくつか紹介する。

 

まずは男たちの日焼けトラブル&日焼け止めトラブルを調査!

 

「海へ行った時、日焼け止めを塗っていたのに、途中で落ちてしまったのか真っ赤になった」

「日焼け止めを耳に塗るのを忘れて、耳だけ真っ赤になったのがトラウマ」

「まんべんなく塗れていなかったのか、まだらな日焼けをして恥ずかしかった」

 

なかには、日焼け止めによる肌トラブルの声も…

 

「ヒゲ剃り後に日焼け止めを塗ったらヒリヒリした」

「パッケージに書いてある適量が分からず、塗り過ぎて真っ白になった」

 

確かに、日焼け止めを塗らなければいけないと分かっていても、塗り方は誰も教えてくれなかった…というのが男たちの本音だろう。そこで今回は、数多くの化粧品開発に携わり多くのヒット化粧品を手掛けてきたビューティサイエンティストの岡部美代治さんに、日焼け止めの選び方、使い方について教えてもらった。

 

 

男の日焼け止め、どう選ぶ? どう使う?

 

Q SPFの数値はどうやって選べばいいですか?

 

A 使用環境に合わせてベストを選ぶ

 

SPF10~20 日常生活

SPF20~30 屋外での軽いスポーツやレジャー

SPF30以上 炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツなど

 

「SPFの測定基準は、1平方センチあたり0.2ミリグラムを塗った時に、日にあたって赤くなるのをどれだ防止できるか。基本的には、上記の値が目安となりますが、スポーツなどで汗をかきそうであればSPF50以上を使うのが理想です」(岡部)

 

Q 適切な使用量を教えて下さい

 

A パッケージの裏面に記載された適量に従う。記載がなければ、目安は顔全体で1円玉大

 

「最近の日焼け止めはのびの良いものが多いので、顔全体に対して1円玉大の量だと余ることもあるでしょう。その場合は、鼻や頬などの高い部分に2度塗りして下さい。目のまわりは、汗をかくと沁みることもあるので丁寧に。手の平をパレットにして、指につけて押さえるのがポイントです。また、男性は特に耳たぶ、耳の後ろもお忘れなく」(岡部さん ※以下同)

 

Q 白くならないように塗る方法はありますか?

 

A 昔と違い、適量をきちんと塗れば白くならない

 

「いまだに日焼け止めを塗ると白くなると思っている男性は、まずはテスターを試しましょう。最近の日焼け止めは白くならないと分かるはずです。オーガニック系の日焼け止めは、透明になるまで時間がかかったりもしますが、なじませれば問題ないはずです」

 

Q 1度塗った日焼け止めはどのくらいもちますか?

 

A シチュエーションによるが、目安は2~3時間。海やスポーツの場合、タオルで拭いた後は塗り直しが必要

 

「塗り方や汗のかき方によりますので絶対とは言えませんが、日常生活であれば、朝に塗れば大丈夫です。海やスポーツの場合は、2~3時間。とはいえ、顔や体を拭けば落ちてしまいますので、その度に塗り直すことが大事です。特に男性の場合は、化粧をしてないので顔を触りやすいんですね。例えば、汗を手で拭った時にも取れています」

 

Q 日焼け止めの顔用と体用は何が違うのですか?

 

A 体用の方が、のびが良いものが多い。高価格帯の顔用にはトリートメント成分が入っているものが多い

 

「日焼けを防ぐ効果としては同じです。大きな違いは、のびやすさでしょう。ボディ用は広範囲に塗れるよう、のびやすいものが多いですね。顔用の方が成分的に肌に優しいというわけではありません。価格が顔用の方が高価ものが多いのは、トリートメント成分が入っていたりするためです。日焼け防止だけを考えるなら、ボディ用でも充分です」

 

Q 日焼け止めの刺激で肌がヒリヒリする場合はどうしたらいいですか?

 

A クリームタイプのものを選ぶ。それでもヒリヒリするなら、フェイスクリームで膜を作ってから塗る

 

「日焼け止めを塗るとヒリヒリするという男性は、クリームタイプのものを選ぶことで解決するかもしれません。水分の多い日焼け止めのほうが沁みやすいので。それでもヒリヒリする人は、フェイスクリームで膜を作ってから日焼け止めを塗れば問題ないはずです。また、男性でもドライスキンの人は油分の多いクリームタイプの方が適切です」

 

Q 日焼け止めをきちんと落とさないと肌が荒れるのは本当ですか?

 

A 完璧に落とさなければ肌が荒れる、なんてことはない

 

「石鹸で洗うだけだと多少は毛穴などに残りますが、“落としきらなきゃ肌が荒れる”ということはありません。日焼け止めは落とさないと刺激があるというイメージは大きな誤解。元々、化粧品というのは48時間肌に乗せても大丈夫なものが『化粧品』として世に出ていますから。逆に、そう思っている人たちの洗いすぎによる肌荒れが心配です」

 

岡部さんによれば、男の場合は、まずは日焼け止めを試して慣れることが大事だという。形状もクリームやジェルなど様々だし、香りやベタつき具合、延びやすさも様々。まずは使って自分の好みを見つけることから始めよう。

 

 

お話を伺ったのはこの方

岡部美代治(おかべ・みよじ)

okabe

コーセーの研究所を経て、アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当。数多くのヒット商品を手がける。現在は美容コンサルタントとして活動。 商品開発アドバイス、美容教育アドバイスなどを行う他、講演・ セミナーの依頼や雑誌取材なども多い。近著「ムダ美容をやめればキレイになる」 (講談社)

okabe-book

http://www.beautysci.jp

 

 

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ビエボ!×GROOMEN「正しい日焼け止めの塗り方」

 

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取材・文/GROOMEN編集部