身に覚えのない肌荒れの原因は
花粉より怖い「PM2.5症」?

春の花粉飛来シーズンが到来し、花粉症を抱える人たちは対処法にあれこれ頭を悩ます時期。最近では鼻や目周辺のかゆみだけでなく、花粉症皮膚炎のように肌がダメージを受ける場合もある。さらにこの時期、花粉以外にも肌は“あるもの”からダメージを受けている可能性があるかもしれないという。自分が花粉症でないからと安心しているキミ、まずは落ち着いて以下の記事に目を通して見て欲しい。

 

この可能性について指摘しているのは、『青山ヒフ科クリニック』の亀山孝一郎院長。肌に関してのスペシャリストである亀山院長は、数々の症例を改善させてきた知識と経験から、自らの肌コンディションについても注意を払い、健康な肌を維持していた。そんな12月のとある日、亀山院長の肌が突然、肌荒れに似た状態になり、コンディションを崩してしまった。花粉シーズンの時期であればこのような状態になることもあるが、そうではないことに疑問を抱いた院長は、その因果関係を探るべく、環境変化などの外的要因から調べはじめた。そして年末に南の島へ旅行した際、肌の症状は劇的に改善するが帰国した翌日より、また肌が荒れ始めた。その結果、亀山院長が行き着いたのは、肌荒れの原因が外来性の物質(PM2.5)による刺激ではないかと確信した。

 

事実、肌のコンディションが悪くなった数日前から、東京都内で観測されたPM2.5の数値が一時的に上昇しており、すぐに自宅やクリニック内の空気清浄機の数を増やすと、その症状は改善されたという。実際に北京、上海でPM2.5の値が高い日は日本の埼玉県の測定所でも高いと報道された。亀山院長はPM2.5が肌に何らかの影響を与えていた可能性が高い、と自身のエピソードを語ってくれた。補足ではあるが、米国皮膚科学会では昨年3月、PM2.5が呼吸器系や循環器系へ悪影響を及ぼすだけでなく、肌老化にも関係があるという報告を発表している。この点を踏まえても、亀山院長の指摘は非常に興味深い内容であるといえるだろう。

 

中国が春節を迎え、祝いの爆竹によってPM2.5の数値が上昇し、日本にもその影響が及ぶのではというニュースが取り上げられていたのは、つい1ヵ月前のこと。さらに春の花粉シーズンも重なるこの時期は、もっとも肌ケアに注意しなければならない時期のようだ。肌ケアの基本である洗顔や保湿を怠らず、肌の回復を促す睡眠時間の確保やストレス解消など、トータルの肌ケアができているかをもう一回確認してみよう。

 

お話を伺ったのは

青山ヒフ科クリニック

亀山孝一郎 院長

亀山孝一郎写真

 

青山ヒフ科クリニック

東京都港区北青山3-12-9 花茂ビル3F

診療時間 平日11:00~14:00/15:00~20:00、土曜11:00~14:00/15:00~19:00、第2・4日曜12:00~17:00 ※完全予約制

TEL.03-3499-1214

 

 

取材・文/中村 慶