栄養士は絶対にやらない!
糖質オフダイエットのデメリット

連載|Good Bye! メタボ

さまざまなダイエットがブームとなり、「○○ダイエットで○kg痩せた!」という成功例を耳にすることもあるが、私たち栄養士はそれらに踊らされることはない。なぜなら、ブームとなるダイエット法の多くが「短期的には痩せるけど、リバウンドリスク大」とジャッジされるものだから。また長期的に続けて理想の体型を手に入れたとしても、実は見過ごせないデメリットも。今回は、栄養士が絶対にやらないダイエットとその理由について、そっとお教えしよう。

 

糖質オフダイエット

炭水化物抜きダイエットとも呼ばれ、血糖値を直接的に上昇させる糖質を含む食品を控えた食生活で、体脂肪を燃焼させやすくするダイエット法。短期間でも効果は実感しやすく、長期的に継続することで10kg以上の大幅な減量ができたという成功例も多い。

 

このダイエットの嬉しいところは、糖質以外の栄養素は制限せずカロリーも気にせず食べられるところ。元々、肉好きだったり糖質を含まない焼酎、ウイスキー派にとっては好都合なダイエットと言える。だが、糖質を控えるということはたんぱく質や脂質に偏った栄養バランスとなり、脂質異常症や腎疾患の原因となり得る。また、糖質の代わりに脂肪を燃やしてエネルギー源とし続けるため、その過程で発生するケトン体が増え、常に独特の体臭を発するようになる。加えてたんぱく質過剰な食生活も影響し、腸内細菌のバランスが変化しおならの臭いも強烈なものとなる。これらはスメハラを引き起こすリスクとなるため、グルーメンにとっては最大の痛手と言えよう。

 

脂質異常症や腎機能への影響はというと、初期のうちは健診結果で指摘されるくらいで痛くもかゆくもない。ただし長期間放置して自覚症状が出る頃になると、時すでに遅しというケースが多い。例えば、ある日突然脳血管疾患で倒れたり、リタイア後に自由を満喫しようとした時期に透析が必要となったり。食生活を軽く見ていたことを悔やみながら余生を送ることになりかねないのだ。

 

また、挫折した場合の代償が大きいこともNGな理由のひとつ。太っている人はもともと糖質を含むご飯やスイーツ、アルコールを好む場合が多く、途中で挫断しやすいのだ。糖質オフダイエットはその効果が大きい反面、止めたとたんに体重増加が始まる。糖質を適度に含むバランスの良い食生活に戻したとしても、過去に糖質オフをしていた場合は特に痩せにくく、栄養士泣かせのクライアントとなる。

 

<糖質オフダイエットのデメリット まとめ>

・過度な糖質オフは、独特の体臭を発するようになる

・腸内細菌のバランスが変化し、おならの臭いが強烈なものとなる

・過去に糖質オフをしていたことが、将来、痩せにくい体質の原因となる

 

次回は、「栄養士は絶対にやらない! 朝食置き換えダイエットのリスク」をご紹介。

 

文/お皿のフチこ

 

お皿のフチこ
管理栄養士。クリニック・企業にて豊富なメタボ指導経験あり。世の男たちのメタボリスクを下げ、健康に過ごしてもらうべく、目的に合った食事の選び方、効果的な摂取法について発信。