実は健康に良い“大麻の実”
朝、スプーン1杯がクセになる?

連載|Good Bye! メタボ

オイル(油)と言えば従来は「高カロリーで身体に悪いモノ」というイメージが強かったが、最近ではココナッツオイルやヘンプオイルなど、健康やダイエットに役立つ種類のものが注目を浴びている。海外セレブ御用達ということで紹介され、既にこれらを愛用中という人も多いだろう。これらのオイルはそれぞれ含まれる脂肪酸の種類や組成(割合)が異なるため、健康効果や効果的な摂り方もそれぞれだ。ここでは、最近流行りのちょっと変わったオイル4種類をピックアップ。その効能とオススメの使用法を紹介する。

 

「ヘンプオイル」は高栄養価でヘルシー。

生のままサラダ・スープに

 

ヘンプオイルとは、麻の実から搾ったオイルのこと。麻とはつまり大麻で、葉や花冠がマリファナの原料となるため誤解されやすいが、麻の実はもちろん麻薬成分ゼロ、たんぱく質や良質の脂質が豊富なスーパーフードのひとつとされている。ヘンプオイルは成分の8割が体内では合成できない必須脂肪酸であり、またリノール酸とαリノレン酸が3:1と理想的なバランスとなっているため、数あるヘルシーオイルの中でも特に優秀とされる。

 

・熱や酸化に弱いため、加熱調理はNG

・独特の香ばしい風味がサラダやスープにマッチ

・納豆や卵かけご飯の隠し味としても◎

 

「エゴマオイル」はアレルギー症状の軽減を期待できる。

生のまま和え物・みそ汁に

 

エゴマはシソ科の植物で、焼き肉などに添えられる葉野菜としても使われる食品。その種子から搾ったのがエゴマ油だ(シソ油とも呼ばれる)。日本では、菜種油が普及する以前は主要な植物油として利用されていたものだ。αリノレン酸の健康効果が知られるようになり再び健康食品として注目されている。αリノレン酸の抗炎症効果からアレルギー症状の軽減や認知症予防にも効果が期待されている。

 

・熱や酸化に弱いため、加熱調理はNG

・木の実のような香りで、和え物やみそ汁に合う(洋食より和食の方がおすすめ)

・古くなると生臭さが気になるため、冷蔵庫に保管し早めに使い切る

 

「グリーンナッツオイル」はエイジングケア*1 に最適。

炒め油・サラダに

 

南米ペルー原産でアマゾン熱帯雨林に育つインカグリーンナッツから搾られたオイル。エゴマオイルやヘンプオイルに比べオメガ3のαリノレン酸の含有率が高く、また若返りのビタミンとも呼ばれるビタミンEを含む点でも優秀だ。美肌・アレルギー対策・認知症予防など健康効果は幅広く、インナーケアとしておすすめのオイルと言える。

*1:年齢に応じたケア

 

・加熱にも比較的強いとされ、炒め物程度なら心配なく利用できる

・風味も他のオメガ3オイルに比べクセがなくそのまま飲んでも問題ないレベル

・サラダにかけても◎

 

「ココナッツオイル」は便秘解消・免疫力アップに効果的。

スプレッド・揚げ油に

 

以前も紹介したが、体脂肪として蓄積されにくい中鎖脂肪酸を豊富に含んでいることが最大の特徴だ。他の脂肪酸と異なり、中鎖脂肪酸はエネルギーとして利用されやすく、ダイエット中でも比較的安心して摂れる。また小腸内の腸絨毛に浸透し便秘解消に役立ったり、抗菌作用のあるラウリン酸を含むことから免疫力アップにも効果が期待できるなど、健康へのメリットは多岐に渡る。

 

・熱や酸化に強い飽和脂肪酸の一種であるため、炒め物や揚げ油としてもOK!

・冷やすと固まるため、アイスやヨーグルトのトッピングとして食感も楽しめる

・スプレッドとしてトーストに塗っても◎

 

<まとめ>

毎日、スプーン1杯が健康の秘訣!

 

それぞれ健康効果の異なるヘルシーオイルだが、全てを毎日摂ることはNG!1日1〜2種類、合計小さじ1杯を目安に取り入れよう。

どの油も1g9kcalと高カロリーな食品で、摂り過ぎは肥満の原因になる。エネルギーとして利用されやすいココナッツオイルさえ、エネルギー消費の少ない状況では体重を増加させることもあり得ることを忘れずに。

 

文/お皿のフチこ

 

お皿のフチこ
管理栄養士。クリニック・企業にて豊富なメタボ指導経験あり。世の男たちのメタボリスクを下げ、健康に過ごしてもらうべく、目的に合った食事の選び方、効果的な摂取法について発信。