仕事後に味わう至福の一杯……というとビールを思い浮かべがちだが、寒くなるこれからの季節、グルーメン諸君には日本酒をおすすめしたい。というのも、実は日本酒は美容の味方。肌を潤したりシミを防いだりと、男達はもちろん、女性にとってはたまらない美肌効果を期待できる。そこで今回は、彼女との呑みの席でちょっと博識な男を演じるのにも役立つ、日本酒の美肌効果をご紹介しよう。
① 肌を潤すNMF
ご存知の通り、日本酒はお米を麹の作用により発酵させて作られる醸造酒。醸造酒は蒸留酒より太りやすいと敬遠する人も多いが、その分、栄養は豊富だ。中でも含まれるアミノ酸の量は、ビールやワインなど他の蒸留酒と比べて日本酒がダントツ多いのだ。このアミノ酸は天然保湿成分NMFの主成分であり、保湿パワーの源となる。乾燥の季節に飲むなら、保湿効果のある日本酒がおすすめというわけだ。
② シミを防ぐ麹酸
日本酒に含まれる麹酸の美白効果は、化粧品に配合されるほどの効果が実証されている。シミの原因となるのはメラニンだが、麹酸はそのメラニンを黒色化させるチロシナーゼの働きを抑える作用を持つのだ。日焼けの季節は夏だけではない。秋の行楽、スキー場など、紫外線にさらされる機会は意外と多いが、そんな時は日本酒を飲んで美白効果を期待したい。
③ 老化を予防するフェルラ酸
日本酒にはフェルラ酸という抗酸化成分も含まれる。代表的な抗酸化成分といえば、赤ワインなどの含まれるポリフェノールが良く知られているが、フェルラ酸も同様の働きをしてくれるのだ。老化は体内で起きている酸化反応によって進行するが、コツコツと抗酸化成分を取り入れることで老化を遅らせることはできる。つまり、フェルラ酸を含む日本酒を飲むことで、シミやたるみなどの肌の老化現象を食い止める効果も期待できる。
④ 血流アップ&冷え予防の効果も
日本酒には、美肌効果以外に健康効果も期待できる。含まれるアデノシンという成分には血管を拡張させる効果があり、血流が良くなる。また、アルコールを肝臓で代謝する際に発生するアセトアルデヒド同様の作用を持つ。アルコール度の高い日本酒を飲めば、血中のアセトアルデヒドの濃度も高くなり、寒い季節でもからだを冷えから守ることができるのだ。ただし、お酒に弱い体質だと、アセトアルデヒドを分解することができず、悪酔いや二日酔いを起こしやすいので注意が必要だ。一般的に、アセトアルデヒドは頭痛や吐き気などをもたらす有害物質とみなされている。継続的な大量飲酒は脂肪肝、肝硬変、肝臓癌、食道癌などの原因となるため、アルコールは飲み過ぎないことが何より大切だ。
<まとめ>
1日1合の日本酒で、潤いやハリのある健康な肌に
様々な美肌効果を期待できる日本酒。特に保湿効果は高く、肌が乾燥しやすい秋冬の晩酌にはもってこいのお酒と言える。だが、飲み過ぎればそれ以上の健康被害を被ることになるので、「過ぎたるは及ばざるが如し」と心得て楽しもう。ちなみに、アルコール健康医学協会によれば、日本酒の適量は1日1合と言われている。ついつい飲み過ぎてしまった人は、せめてアルコール代謝を促すものをしっかり摂ろう。例えば、水分、ウコン配合のドリンク剤、しじみやあさりのみそ汁、ビタミン類の豊富な野菜や果物などが挙げられる。
文/GROOMEN編集部