ランチをコンビニで調達する際、「健康のため」と野菜ジュースをプラスするのはとても良い習慣だ。ただしどんなアイテムを選ぶかが運命の分かれ道ともなる。もしも選び方を間違えてしまうと、その習慣が肥満や糖尿病などのメタボリスクを高めることにもなりかねない。せっかく摂るなら、ぜひ真のヘルシーアイテムを選んで欲しい。
野菜ジュースは"Simple" is "best"!
「野菜ジュース」とひと言で言っても、野菜100%のものから、野菜プラス果物、野菜プラス糖分まで、さまざまなタイプがある。「充実」「ビタミン」「食物繊維」などのキーワードが添えられた商品はとても魅力的だが、商品名に惑わされてはいけない。
例えば、砂糖やはちみつ、果物が添加された野菜ジュースは、野菜が苦手な人でも飲みやすいよう工夫されているのが利点だ。しかし、ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養摂取のメリットよりも、糖分によるデメリットの方が大きくなってしまう。
また、多種の野菜を使用した野菜ジュースは、βカロテン・ビタミンC・葉酸・鉄分・カルシウムなど幅広く栄養素をカバーできる反面、飲みづらいニンジンや青菜類をカバーするために、かぼちゃやさつまいも(有色甘藷と表示されている場合は紅芋)など甘みのある野菜が加えられる場合が多く、100mlあたりのエネルギーは30〜40kcal台とやや高めとなっている。「栄養ばっちりの野菜ジュースを飲むから、食事は菓子パンやラーメンでいっか」などと油断していると、肥満の原因にもなりかねない。これでは、メタボまっしぐらだ。
野菜ジュースの実態をチェック!
では、どのような野菜ジュースを選べばいいのか。コンビニやスーパーで人気の野菜ジュースについて、栄養成分を比較してみた。一覧にまとめたので、商品選びの参考にしてもらいたい。
メーカー | カゴメ | カゴメ | 伊藤園 | |
商品名 | トマトジュース食塩無添加(160g) | 野菜一日これ一本(200ml) | 1日分の野菜(200ml) | |
内容量 | 160g | 200ml | 200ml | |
1本あたりの栄養成分 | エネルギー(kcal) | 32 | 71 | 75 |
糖質(g) | 6.1 | 14.6 | 16.2 | |
食物繊維(mg) | 1.1 | 1.6 | 2.2〜4.6 | |
ナトリウム(mg) | 2〜18 | 34〜150 | 26〜248 | |
カルシウム(mg) | 11 | 54 | 138 | |
マグネシウム(mg) | 34 | 56 | ||
カリウム(mg) | 459 | 830 | 856 | |
β-カロテン(mg) | 4100〜16000 | 5244〜17288 | ||
ビタミンE(mg) | 2.2 | 1.2〜4.0 | ||
葉酸(mg) | 12〜110 | 4〜84 | ||
ビタミンC(mg) | 60〜186 | |||
ビタミンK(mg) | 16 | 12 | ||
リコピン(mg) | 16 | 16 | 14 | |
原材料名 | トマト | 野菜(トマト、にんじん、メキャベツ(プチヴェール)、ケール、赤ピーマン、ほうれん草、モロヘイヤ、ブロッコリー、レタス、セロリ、しょうが、紫キャベツ、赤じそ、よもぎ、チンゲンサイ、カリフラワー、クレソン、パセリ、かぼちゃ、アスパラガス、たまねぎ、ビート、だいこん、小松菜、紫いも、あしたば、はくさい、なす、グリーンピース、ごぼう)、レモン果汁 | にんじん、トマト、有色甘藷、赤ピーマン、インゲン豆、モロヘイヤ、メキャベツの葉、レタス、ケール、ピーマン、大根、白菜アスパラガス、グリーンピース、セロリ、しそ、ブロッコリー、かぼちゃ、あしたば、小松菜、ごぼう、ゴーヤ、しょうが、緑豆スプラウト(もやし)、パセリ、クレソン、キャベツ、ラディッシュ、ほうれん草、三つ葉、レモン果汁 |
※網かけの項目は表示なし
<まとめ>
コンビニ弁当のお供に最適なのはトマトジュース
ベストチョイスは、トマトジュースという結果になった。トマトジュースは、100mlあたりのエネルギーが20kcalと低カロリーなうえ、リコピン・カリウム・食物繊維など、健康効果を期待できる栄養素をピンポイントで補うことができる優れもの。リコピンには油の酸化を抑える作用、カリウムには塩分(ナトリウム)の排泄を促す作用、食物繊維には糖質や脂質の吸収を妨げる作用が期待できるため、酸化しやすい油・塩分・糖質などが多い傾向にあるコンビニ弁当のお供に最適なのだ。
また、野菜ジュースを選ぶ際には、パッケージの背面・側面などに書かれた原材料名をチェックして、「野菜100%」の商品を見分けることが重要だ。ぜひ、原材料名だけでなく栄養成分表示までしっかりチェックして、健康効果の高い野菜ジュースを選んで欲しい。
構成・文/GROOMEN編集部