秋の夜長、自宅でゆっくりとくつろぐ時間は何にも代え難いものだ。お気に入りのドリンクとスナックを傍らに深夜まで趣味に勤しむのが、日々のストレス解消法という人も少なくない。しかし、当然のことながら深夜の飲食は内臓脂肪を増やしメタボリスクを高めることに直結する。そこで今回は、深夜の食べ過ぎを防ぐコツと、どうしても食べたい時の注意点を紹介する。
深夜にお腹が空く理由
その1.睡眠不足
忙しいビジネスマンほど睡眠不足になりやすいが、実はこの睡眠不足こそ、空腹感の原因となる。その理由は、睡眠時間が短いと食欲を促進するグレリンというホルモンが多く分泌され、逆に食欲を抑制するレプチンというホルモンが分泌されにくくなる傾向にあるのだ。睡眠不足による食欲亢進は夜だけに限られるわけではないが、日中は仕事に集中していたり人目があるため理性が働き過食を防ぎやすい。その反面、仕事を終えた後のひとりの時間は理性も働きにくく、食欲のままに暴飲暴食をしてしまいやすい。
その2.夕方からの飢餓状態
平均的にビジネスマンのランチは12時台、夕食は20時~22時台と遅く、8〜10時間を絶食状態のまま過ごすことも珍しくない。このような生活に身体が慣れてしまうと、空腹時間が長かったことの反動が無意識のうちに体に起こり、次に同じことが起きてもエネルギーを確保できるよう、食欲が亢進してしまう。
夜食を防ぐための具体策
深夜にお腹が空く理由が分かったところで、そのための具体策を検討してみよう。
まずは、食欲の抑制に役立つホルモン、レプチンの分泌を促すべく睡眠不足を解消することだ。少なくとも、平日は6〜7時間、週末は8時間程度の睡眠時間確保を目安に、早寝早起きの習慣を目指そう。
次に行いたいのは、食事のリズムの工夫だ。18時に夕食、というのは現実的ではないが、夕食が19時台以降になる場合は、昼食から4〜5時間のタイミングでヘルシーな間食をとるのがおすすめ。フルーツ、ナッツ、芋類、牛乳など、ビタミンやミネラルを補給できるものが理想だが、大豆系の栄養バーや無脂肪ヨーグルトなども良いだろう。ジャンクフードを口にするより、前向きに栄養補給するイメージを周囲に与えられるというメリットもある。また、体力勝負の仕事をしている場合は、おにぎりやサンドイッチなどの軽食を摂り、遅い夕食では炭水化物を控える分食がおすすめだ。夕方のちょっとしたエネルギー補給で、深夜のドカ喰いをグッとセーブしやすくなるはずだ。トータルの摂取エネルギーは変わらなくても、脂肪合成に直結しやすい深夜の夜食を減らせる分、その後のメタボ回避につながるので、ぜひ実践して欲しい。
<まとめ>
睡眠不足を解消し、夕方の間食で食欲亢進を防ごう
深夜の間食を減らすためには、睡眠不足の解消が第一。夕食が遅くなってしまう場合は、夕方の間食で深夜の食欲亢進を防ごう。それでも、深夜にお腹が空いてどうしても耐えられない場合は、まずは温かい飲み物を飲んで様子を見て欲しい。胃の中に温かい水分が入ることで、体が温まりリラックス状態になり、食欲が落ち着くこともあるのだ。固形物なら、低カロリーでビタミンCや食物繊維の補給にもなる柑橘系やベリー系などの果物を心掛けよう。むくみの解消に役立つカリウムも豊富なため、メタボ解消に役立つ食べ物と言える。果物以外なら、少量のナッツやチーズを口にしてみよう。これらは脂質を含み高カロリーな食品だが、少量でも満足感が得られやすく、スナック菓子・菓子パン・ご飯ものなどよりは罪が軽い。
ここまで紹介しておいてなんだが、念のため食べる以外の方法も紹介しておこう。それは運動だ。例えば腹筋やスクワットなど静かに行えるものでOK。歩くなどの有酸素運動がお好みならそれでももちろん良い。実は運動には一時的に食欲を抑制する効果があるのだ。運動により交感神経が刺激されるとアドレナリンが分泌される。アドレナリンは肝臓内のブドウ糖を血液中に放出させる作用があるため、一時的に血糖値が上がり空腹感を紛らわすことができるのだ。運動というとハードルが高いように感じられるが、1分程度の運動でもアドレナリンは分泌され始めるため、夜食を口にする前に最後の抵抗も惜しまずに。
文/GROOMEN編集部