「遺伝や加齢による薄毛は、嫌だけど仕方ない」と半ば諦めていないだろうか。
とはいえ、男のお洒落を演出する上で絶対的に欠かせないのが“毛髪”。日々のケア次第で末永く維持できるとしたら、やはりその技を学ばずにはいられないだろう。
ここに興味深い話がある。実は青山や表参道で働く一流の男性美容師に、薄毛がほとんど存在しないという噂。アラサーやアラフォー美容師はもちろんのこと、アラフィフを超える業界トップの男性たちまでも、一様にフサフサの毛髪をキープしているのだ。
スペシャルな育毛剤を使っているから?毎日、高級シャンプーで洗髪しているから?
確かにそんなケースもあるだろう。しかし、高額なプロダクツを使用しなくとも簡単に健康的な毛髪を保つコツがあるという。それが「すすぎ」。彼らを20年以上する取材する中で、皆が口をそろえて言うアドバイスがある。
「すすぎをまめに行って下さい」。
すでに承知のことと思うが、薄毛対策は地肌を健康に保つことが先決。
一般的に、「地肌」というとシャンプーケアばかりに目がいきがちだが、実はシャンプーで“効果的に取れる汚れは皮脂のみ。埃などの外気の汚れやスタイリング剤、フケや汗は、シャンプーではなく、お湯で落とすと考えるのがプロの常識なのだ。
シャンプー前の余洗いで薄毛の原因はオフできる
売れっ子美容師を取材していると、「余洗いに1分以上の時間をかけている」とほぼ全員が答える。1分のすすぎは結構長い。素人なら長くてせいぜい15秒だろう。この時、髪だけでなく頭皮の毛穴に向かって温水を当て、地肌をこする。先ほど説明したように、地肌には皮脂以外にも汚れが詰まっていて、これがシャンプーだけでは落ちにくい。汚れがそのまま蓄積すると本来ひとつの毛穴から3本程度生えている毛が2本や1本だけになる。結果、髪密度が減り、薄毛になる。また、汚れが角化することで生えてくる毛にも邪魔をして、本来より細い毛になりやすい。軟弱化した毛は当然抜けやすく、時間経過と共に薄毛が進行するというわけだ。
毛穴や毛穴周りの汚れを徹底的に落とす、これにはシャンプー前のすすぎがなにより大切だ。また、シャンプーで洗った泡が少しでも残ると、残留物となって先と同じ現象が起こるので、洗髪後のすすぎも2~3分は行うようにしたい。
以下はプロが行うすすぎケア法。毎日のバスタイムで、ぜひ取りいれて頂きたい。
① 予洗いは1分~2分行い、頭皮を軟化させる
② 予洗いは下向き、上向き両方から行い、指先で地肌をこする
③ シャンプーは髪より地肌を洗う。指の腹で優しく行うべし
④ すすぎは2~3分。毛束をめくって地肌にもシャワーを当て、余計な汚れを残さない
毎日行うシャンプーは、そのテクニック次第で毛髪の健康状態を大きく左右する。知ってるようで知らない薄毛予防のマル秘テクニック。ぜひ、今日から実践して欲しい。
フリーライター・編集・企画。ヘア&ビューティが専門。女性誌はもちろん、男性向けヘアカタログ、薄毛対策記事などを多く手掛ける他、東京・青山にてヘアサロンを運営。