都内の“イマドキ”なバーバーを紹介する好評企画。今回はさまざまな個性が集まる原宿エリアに注目。「若者の街」というイメージも強い原宿だが、賑やかな駅前から少し足を延ばすと、大人の男も惚れ込むおしゃれなバーバーを見つけることができる。話題のニューフェイスと長く愛され続ける人気店をそれぞれ紹介しよう。
カッコいい男たちが“Chill”できる空間
2015年2月、お洒落な男たちが集うカットクラブが原宿にオープンし、たちまち話題になったのが「MR.BROTHERS CUT CLUB(ミスターブラザーズ カットクラブ)」だ。原宿や表参道といえば、流行の最先端をいくヘアサロンがいくつもある街だが、同店のオーナーは日頃から「男は男らしいお洒落な空間でカットするべき」と考えており、男性が訪れやすいカットクラブのオープンへと繋がったそうだ。人気に火が付き、現在は東京に3店舗、大阪に2店舗を展開している。
店の前の通りから店内を除くと、雰囲気のいいアンティークショップ、もしくはシックなギャラリーを思わせるような洒落た内装。アメリカ西海岸やヨーロッパヴィンテージのカルチャーをMIXしたというインテリアは、男臭い、それでいてゆったりとくつろげる空間になっている。店の前に置かれたベンチでは、スタッフと客が一服しながら談笑する姿が。そんな何気ないやり取りも絵になる場所だ。
シェービングメニューはMR.BROTHERS CUT CLUB初の「理容店」として2019年にオープンした原宿2ndで提供中。レザーを使用したフルフェイスシェービングをはじめ、デザインシェービング等の本格的なシェービングを体験できる。
今後、日本でも美容と理容の境界線がなくなっていくだろうと言われているなかで、美容室と理容室のいいとこどりの業態として、日本のバーバーカルチャーを変えていく存在となるだろう。
MR.BROTHERS CUT CLUB スタッフによれば、特に注目して欲しい技術は「フェードの美しさ」とのこと。髪と刈り上げ部分をグラデーションのように美しいフェードで描くと、流行のツーブロックもより洗練されたイメージになる。「バリカンを巧みに使って刈り上げる美しいフェードを、お客様にも体感して欲しい」と目を輝かせる堀さん。洒落た男くさい空間と、その繊細な技術のギャップを楽しんで欲しい。
男らしいスタイルも“彼女ウケ”もお任せ
男女共に愛されるバーバー
JR原宿駅竹下口から5分ほど歩くと、マンションの2階に3色サインポールが見えてくる。「JUNCTION HAIRGALLERY(ジャンクション ヘアギャラリー)」は、ここに店を構えて20年以上経つ人気のバーバーだ。店長の丸山さんが影響を受けたのは、若い頃にロンドンの街で訪れたとあるバーバー。スタイリッシュでありながら街に溶け込んだ雰囲気にすっかり惚れ込んだのだそう。丸山さんが思い描く“理想のバーバー”のかたちが反映された80年代ロンドンを思わせる店内で、現在は夫人とふたりで店を回している。ちなみに年季の入ったバーバーチェアは現在製造されていない国内メーカーのヴィンテージもので、同業者から問い合わせが来るほどレアなものだそうだ。
常連客の中には、近所に住む馴染みの顔から、WEBサイトなどを見て遠方から足を運ぶ人、企業の重役なども名を連ねているという。良く聞くのは「セットしやすい」「髪が伸びてもサマになる」といった声。「店としては、伸びたらカットしに来て欲しいですけど(笑)」と丸山さんは言うが、その技術力の高さも常連客をつかむ信頼につながっているようだ。
女性客が店を利用して気に入り、別の日に自分の旦那を連れてくることも少なくないそう。スタッフは丸山さんと夫人のみなので、カップルや夫婦で同時に来店すれば貸し切り状態、ちょっとしたデート気分も味わえる。かしこまらず、友人夫婦に会いに行くような気軽さで一度予約を入れてみては。
http://junction.co.jp/
東京都渋谷区神宮前1-2-10-2F
TEL:03-5410-1963
営業時間:水~土曜 11:00 ~ 20:00、日曜 10:30 ~ 18:00
月・火定休
■お洒落バーバーをエリア別にチェック!
取材・文/芳賀直美(OUTSIDERS Inc.)