世界の男たちはお風呂好き!?
「美容健康のため」日本は最下位

シャワーで1日の汗を流したり、湯船に浸かってじっくり考え事をしたり……。バスタイムというのは、1日のうちでもっとも自分らしく過ごせる時間ではないだろうか。日本人は風呂好きのイメージがあるが、他の国では皆どんなバスタイムを過ごしているのだろう? マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが5ヵ国(日本、中国、ロシア、シンガポール、ブラジル)の男女にアンケートを実施、気になる各国の入浴事情を見て行こう。

 

入浴時間の長さは気候がカギに

 

まず、入浴時間と入浴頻度について。男性で最も入浴時間が短いのは、ブラジルの平均13.4分、次いでシンガポールの平均14.9分だった。他国の平均20分以上と比較すると、風呂嫌いなお国柄のように見えるが、入浴頻度は、なんと毎日複数回。太陽の国・ブラジルと、1年中高温多湿なシンガポールでは、男たちは汗をかくたびにシャワーをサッと浴び、日々の暑さに耐えているようだ。

 

一方、男性で最も入浴時間が長いのはロシアの平均25.3分、次いで日本の平均21.5分だった。冬は極寒の地と化すロシアの人々にとって、ウォッカ同様温かい風呂は欠かせないものなのだとわかった。

 

続いて「入浴する時にしていること」を聞いたところ、各国共「髪を洗う」「顔を洗う」「身体を洗う」がトップ3に。上位は予想通りと言えるが、ロシアの男性はさらに「歯を磨く」「ヒゲを剃る」という回答も5割を超え、バスルームでひと通りのボディメンテナンスをする習慣が根付いているようだ。また、男性で「身体の毛を剃る」が1割を超えたのはブラジルとシンガポールのみ。やはり、温暖な気候で比較的露出が多いことが理由になっているのかもしれない。

 

日本人はバスタイムにもっと男を磨くべし!

 

では、何のために入浴するのか? という問いには、「汗や汚れを落とすため」「さっぱりしたいから」といった項目がどの国でも上位に上った。中でもおもしろいのは、中国とシンガポールではなんと4割以上の人が「身体を冷やしたいから」と回答したこと。入浴とは“湯船に浸かって体を温めるもの”という意識が根強い日本人には想像できない理由だ。

 

しかしながら、日本は入浴の目的を「健康・美容のため」と回答している割合が14.3%と、男性の中では最下位という結果に。残念ながら、まだまだ「お風呂=美容」という意識が低いと言わざるを得ない。浴室でのんびり過ごすのはいいが、せっかくなら鏡の前でボディチェックをしたり、スカルプケアをしたり、自分磨きのために活用しよう。グルーメンへの道がぐっと近づくはずだ。

 

文/芳賀直美(OUTSIDERS Inc.)