前回までに、あごヒゲ(鬚:beard:ビアード)、くちヒゲ(髭:mustache:ムスタッシュ)、頬ヒゲ(鬚:sideburn/サイドバーン)と、ヒゲ単体のデザインについてご紹介してきましたが、今回は、ヒゲとヘアのバランスを見ていきましょう。
まずは、写真をご覧下さい。
それぞれ個性がありカッコ良く見えますが、ヘアスタイルが変わると果たしてどう感じるでしょうか?
いかがでしょう? このように比較してみると、左のミディアムスタイルは少しやぼったく見える気がしませんか? ショートスタイルの方が好印象に見えるのではないでしょうか。これが「ヒゲとヘアのバランス」です。どんなにヒゲ単体でカッコいいデザインでも、ヒゲの主張が強い時はヘアスタイルに気をつけるべきだという事を、是非覚えておいて下さい。
もう少しいろんなパターンを見ていきましょう。
こちらは、コンパクトでナチュラルなヘアスタイルです。並べて見るとやはり1番右が清潔感がありますね。
さて問題です。この並びで1番大事なヒゲの変化は何だと思いますか?
ヒゲの量ではありませんよ。
答えは…、くちヒゲの“濃さ”です!
少しくちヒゲを薄くした1番右が好印象に見えるんです。
ヘアはコンパクトにまとまったドライなスタイルなので、比較的どのヒゲパターンも似合いやすいのですが、それでも、並べてみるとかなり変化がありますね。くちヒゲの濃さだけでも、こんなに印象が変わるのだということがお分かりいただけたかと思います。
では、次のパターンです。
こちらは、ウェット感のあるハードなヘアスタイルです。ワイルドな感じ、シャープな感じ、清潔感のある感じ、どれもバランス良く見えますが、くちヒゲの濃さを変えてみると…
こうなります。くちヒゲの濃い方(左)はワイルドな印象、くちヒゲの薄い方(右)はシャープな印象で、どちらもあまりマイナスなイメージは無いですね。
まとめると、ドライな質感やボリュームのあるシルエット、ラフなヘアスタイルよりも、シャープでコンパクトにまとまったヘアスタイルやウェットな質感の方がヒゲとの相性が良く、清潔感を保てて好印象に繋がります。
こうして見るとヒゲとヘアスタイルの組み合わせっておもしろいと思いませんか? 皆さんも是非、いろいろなスタイルに挑戦してみて下さい。
理容室『THE BARBER 代官山』マネージャー。コンプレックスだった童顔を克服するためヒゲを生やし始めたのをきっかけに、ヒゲデザインのおもしろさに目覚める。実体験を元にヒゲデザインを提案。ヒゲ歴20年。THE BARBER ヒゲ部門メイン担当。