「天然水使用」「フルーツエキス配合」「カロリーオフ」……体に良さそうなワードに誘われて、ついつい手が伸びるフレーバーウォーター。本格的な夏を前に、各メーカーからも続々と新商品が登場し、水分補給のため毎日のように飲んでいるという人も少なくないだろう。だが、フレーバーウォーターを水代わりに飲み続けることは、実は夏太りや夏バテを招く習慣になることをご存じだろうか。
フレーバーウォーターの正体は?
ざっくり言えば……砂糖水。もちろん、主原料は水だが、その次に多く含まれているものは液状の糖類で、酸味料や香料と続くものが多い。カロリーは、100mlあたり15〜20kcalのものが中心。低カロリーでヘルシーなイメージ戦略にまんまと乗せられ、500ml入りのペットボトルを飲み干せば、あっという間に75〜100kcal(角砂糖4〜6個分!)となるのだ。「LIGHT」「カロリーオフ」といった表示があっても、カロリーゼロの水やお茶を飲むような感覚でいたら大間違い。なかには、100mlあたり30kcalという高カロリー商品もあるので、ぜひ注意してもらいたい。
ちなみに、毎日500mlペットボトル2本のフレーバーウォーター(200kcal分)を飲んだ場合、計算上では1カ月強(約36日)で体脂肪が1kg増えることになる※。
※ 食生活を変えずに200kcal分のフレーバーウォーターをプラスした場合
※ 体脂肪1kgを合成するために必要なエネルギーを7200kcalとした時の計算値
旬の商品の実態をチェック!
コンビニや自動販売機に並ぶ旬の商品について、栄養成分を比較してみると、一部を除いておもしろいほど似た数字が並んでいた。一覧にまとめたので、商品選びの参考にしてもらいたい。
メーカー | アサヒ | コカ・コーラ | コカ・コーラ | サントリー | キリン | JT | JT | |
商品名 | なないろwater‘s | い・ろ・は・す みかん | い・ろ・は・す りんご | 南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ | Volvic French CASSIS | 桃の天然水 | 桃の天然水LIGHT | |
1商品当りのエネルギー(kcal) | 95 | 94 | 94 | 99 | 80 | 147 | 90 | |
栄養成分表示(100ml当り) | エネルギー(kcal) | 19 | 17 | 17 | 18 | 16 | 30 | 18 |
炭水化物(g) | 4.7 | 4.3 | 4.3 | 4.5 | 4 | 7.5 | 4.5 | |
ナトリウム(mg) | 33 | 30 | 29 | 30 | 5.3 | 8.4 | 5.9 | |
内容量(ml) | 500 | 555 | 555 | 550 | 500 | 490 | 500 | |
果汁についての表記 | 無果汁 | 無果汁 | 無果汁 | 果汁1% | 無果汁 | 果汁10%未満 | 果汁1% | |
原材料名 | 果糖ぶどう糖液糖、砂糖、果汁(レモン、いちご、さくらんぼ)、はちみつ、ペパーミントエキス、食塩、カモミールエキス、酸味料、香料、酸化防止剤(V.C) | ナチュラルミネラルウォーター、糖類(果糖、砂糖)、塩化Na、ウンシュウミカンエキス、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC) | ナチュラルミネラルウォーター、糖類(果糖、砂糖)、塩化Na、リンゴエキス、酸味料、香料、塩化K、乳酸Ca、酸化防止剤(ビタミンC) | ナチュラルミネラルウォーター、糖類(果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖)、有機オレンジ果汁、食塩、ミントエキス、クエン酸、香料、クエン酸Na、酸化防止剤(ビタミンC) | ナチュラルミネラルウォーター、転化糖・砂糖、酸味料、香料、保存料(安息香酸Na) | 果糖ぶどう等液糖、もも果汁、酸味料、香料 | 果糖ぶどう等液糖、もも果汁、食物繊維(還元難消化性デキストリン)、香料、酸味料 |
※無果汁:果汁の含有量が1%未満の意
各社がしのぎを削って市場に好まれる味を追求した結果、このような事態になったと思われる。原材料名も、水や糖類の次に果汁となっているケースが多いが、実際のところ7商品中4点が無果汁(果汁1%未満)、2点が果汁1%であった。果物やハーブなど植物性エキスのイメージを全面に押しだしているフレーバーウォーターだが、残念ながら味の決め手は酸味料や香料のようだ。
<まとめ>
スリムな体型を維持したいなら、フレーバーウォーターは1日1本が限界
ほのかな味がついていてゴクゴク飲めるため、夏の水分補給に最適だと思いがちなフレーバーウォーターだが、“水”感覚で飲みすぎてしまうと、糖分やエネルギーの摂り過ぎになりかねない、という調査結果となった。暑い夏は、汗をかいて体力の消耗も大きいが、エネルギー補給は3度の食事で行うことが基本。飲み物から糖分だけを補うことは、体内のビタミンB1の消耗を招き夏バテにつながるということもぜひ覚えておいて欲しい。夏バテ・夏太りを防いでスマートに夏を乗り切るために、まずはドリンクから見直すのも手だ。
構成・文/GROOMEN編集部