グルーメンでもたびたび取り上げてきた「男のニオイ問題」。近年では“スメルハラスメント”なる言葉も定着し、もはやそれが「男臭さ」だと言い逃れすることができない状態だ。「もしや、この俺が…?」と、自分のニオイに悩みを抱えていることも少なくないはず。特にワキのニオイを自分ひとりで判断するのは困難だ。そこで今回は『加藤クリニック麻布』加藤一実総院長に、気になるニオイの原因や、ウワサの治療法についてのお話を伺ってきた。
――最近、“スメハラ”という言葉が定着しているように、自分のニオイが他人に不快感を与えているのでは? という気遣いを真剣に考えなければならない時代になりましたが……。
非常にデリケートな問題ですが、たしかにそうですね。一般的に日本人は欧米人に比べ、体臭は少ない方だとされていますが、日本人はニオイに対してとても敏感。ニオイを毛嫌いするような文化があります。とはいえ、相手の体臭についてハッキリ言えるかというと、家族などの近しい人でも、なかなかそうもいきません。また自覚がある人も、周囲の人に聞くわけにもいかず、ひとりで悩みを抱えている方も多くいらっしゃると思います。
――そのニオイについてですが、やっぱり汗が原因なのでしょうか?
汗は皮下組織の一部である「汗腺」から分泌されますが、この汗腺はエクリン腺、アポクリン腺、アポエクリン腺の3つに分類できます。エクリン腺から分泌される汗は、人間が生きていくために必要な体温調節の役割(体温調節性発汗)を担う他、緊張を感じた時やドキドキした場合にも汗を分泌(精神性発汗)します。一方、アポクリン腺はエクリン腺とは異なり、主に精神性発汗で脂質やたんぱく質を多く含んだ汗を分泌するのが特徴。そしてアポエクリン腺は、構造的にはエクリン腺と似ていますが、より発汗量が多いことが特徴とされています。これらの汗自体にはニオイはありませんが、汗中の成分が皮膚表面で分解されると、体臭の原因となります。ですので、脂質やたんぱく質を多く含んだ汗を分泌するアポクリン腺からの汗中に含まれている成分が変化したものがニオイの主な原因になっていると考えて下さい。
――では自分で、そのニオイを確認できる方法はありますか?
当院では清潔なガーゼをワキにはさんでもらい、数分後にそのガーゼについたニオイや色を見て判別したりしています。それ以外でも、耳アカが湿っているタイプの人は、ニオイ予備軍の可能性があります。耳もワキと同じくアポクリン腺が多い場所ですからね。
――こちらのクリニックはそんなワキのニオイを改善する最新の医療機器「miraDry(ミラドライ)」を日本で最初に導入されたと伺っています。その理由をお聞かせ下さい。
切開法などの外科的手術より、少ないリスクで改善が見られるという点でしょうか。健康保険が適用される外科的手術の場合、いくつかの方法がありますが、しっかりアポクリン腺を取り除こうとすると、皮膚へのダメージが大きくなるリスクがありますし、反対に皮膚のダメージを軽減しようとすると、アポクリン腺自体を取り残す恐れが出てきます。その点、「miraDry(ミラドライ)」であれば短時間の施術で長期の効果を期待できますし、施術後の日常生活に支障をきたすこともありません。また、複数回の施術を行うことも可能ですから、安心して利用していただけると思います。導入に際しては、日本でいう厚生労働省的なアメリカの機関が出している臨床データもいろいろと確認しましたし、国内でも実際にワキガに悩む男性2名に協力してもらい、2度施術の後、アポクリン腺が劇的に減少したことを確認することができました。安全性と効果を感じましたし、実際に今、施術を受けられた多くの方に喜んで頂けていますよ。
――では最後に、ニオイでお悩みの方へのアドバイスなどありましたらお願いいたします。
分からないことや疑問があれば、ぜひクリニックへ相談にいらっしゃってください。例え、ちょっとした不安でも、本人がとても気にしているのであれば、施術を受けてみるというのもひとつの選択肢だと思います。「miraDry(ミラドライ)」は、そういった方が気楽に施術を受けられるという点もいいと思います。ぜひ、気軽にご相談下さい。
気さくに質問に答えてくださった加藤総院長。相談に乗ってくれるという安心感だけでなく、国内で最初に「miraDry(ミラドライ)」を導入し、施術実績も十分という信頼感。いま悩んでいるなら、まずクリニックへ相談に行ってみてみてはどうだろうか。
加藤一実(かとう・かずみ)
『加藤クリニック麻布』総院長。日本医科大学卒。麻酔科ICUを経て美容形成外科を専門に研修。1994年加藤クリニック麻布(旧 麻布美容外科)を開業。その後ハワイの世界的に有名なロバートフラワークリニックにて、さらなる技術向上に努める。国内で最初に「miraDry(ミラドライ)」をクリニックに導入した、ミラドライ認定医。
■参考リンク
ミラドライ
取材・文/中村 慶