「いつもより髪が抜けるなぁ」、「額が広くなってない!?」など、30代以降の男たちは、薄毛に敏感になりやすい。そのため、20代の頃よりヘアデザインに対する冒険心が薄れ、額やトップの毛は“とりあえず長めに残しておきたい”。そんな心理に駆られやすい。でも実はこれ、正解とはいえないようだ。逆に〝あえて切る”選択をした方が、お洒落男子として楽に格上げできるのだとか。
取材に答えてくれたのは、渋谷でメンズに大人気のサロン『boucle』の代表である篠原さん。メンズ雑誌の常連で、通えば必ずイケメンになれると噂の、メンズビューティ界ではカリスマ的存在のサロンだ。篠原さんは、多くの男性を施術した結果、ある答えにたどり着いたという。
「薄毛に悩みだすと、その部分を隠したいあまり不自然な部分から髪を被せようとします。例えば、30代に多いM字の額は、眉山の延長上辺りの毛が細くなったり抜けたりする現象です。この部分を隠そうと、さらに上にあるトップの毛を伸ばして額に垂らす方が多くいらっしゃいますが、高い位置から髪を垂らすと面長に見えてしまう上、額が薄っすらと透けることで不自然な印象に。結果、悪目立ちしてしまいます」(篠原さん)
解決策はこれ!
髪のグラデーションをなくして全体をすっきり見せる「お洒落坊主」がおすすめ!
髪の多い部分と薄い部分があることで、かえって部分的な薄毛が目立ってしまう事実……。隠したい心理が働き過ぎると、どうしても見落としがちな現実だ。
「手っ取り早く解決したいなら、このグラデーションをなくすことです。薄い部分が目立たないよう、全体を短髪に仕上げて、色の濃淡を感じさせないようにする。また、気になるM字の額は、アシンメトリーに気味に短めにカットを。こうすると“すだれ感”がなくなるし、わざと肩サイドを短く切り込んだような、自然なおしゃれ感が演出できます」(篠原さん)
<Before>
小栗拓さん(37歳)
リクルート社に勤務の小栗さん。20代の頃に比べて髪が細く柔らかい質感になったそうだ。ご本人曰く、額の辺りが少々気になるとか。日頃からお洒落には気を遣っているため、現時点でもすっきり知的なヘアスタイルだが……
篠原さんが手掛けた、薄毛君にもおすすめのお洒落坊主ヘアがこちら!
<After>
ベース型の男らしい輪郭の小栗さんだが、トップが潰れるとハチまわりが目立ってアンバランスに見えやすい。まずはサイドを刈り込み、輪郭がオーバル系になるよう調整した。
こうすることで、トップに高さが出て毛量感も上昇。前髪は短めのアシンメトリーに切り込んでいくと、毛量も透けることなく自然に額を隠してくれる。また、お洒落感も倍増して、髪質の弱点を全く感じさせない都会的な印象に。
<ZOOMUP>
<スタイリングのコツ>
自然なセット力のヘアクリームを手の平に伸ばしたら、トップにクシュッと揉み込む。ゆるい動きが出ることで、ただの坊主とは違うハイセンスな印象に。
スーツにも似合う!
お洒落坊主ヘアは小顔感や清潔感もゲットできるから、スーツ姿にもマッチしやすいのが特徴。爽やかで仕事ができそうな印象だ。
<スタイリングのコツ>
スーツの時は、前髪をほんのり撫で付けるようにスタイリングしても◎。落ち着いた大人のお洒落感漂うスタイルに。
大人のお洒落坊主は、難を隠してスタイリッシュに変身できる賢いヘアスタイル。“イケてる俺”を目指すなら、ぜひ試してみる価値がありそうだ。
boucle代表・篠原さん
動きのあるショートヘアが得意で、なんでも相談しやすい雰囲気が魅力。
取材協力/boucle
撮影/高田みづほ
取材・文/小澤佐知子