「俺の額、ちょっと後退してきたかも…」グルーメン世代の薄毛で最も多いのが、額にできるM字薄毛。特に横から見た時、こめかみ部分が透けてしまうため、輪郭も面長に見えて全体的に冴えない印象を与えてしまう。
でも、M字薄毛はカットラインを変えるだけで、簡単に“なかったことに”することが可能。そのコツをヘアサロン『MAGNOLiA』のDAISUKEさんに指導していただいた。
薄毛をなかったことにする髪型とは?
「薄毛の初期段階は髪が細くなることです。額周りが細くなると、毛流れが乱れてパカッと割れやすくなります。M字部分は毛先の断面に動きを与えず、短く切りそろえるのがコツです。さらにパーマを加えると根元が立ち上がって自然なボリュームが生まれます。このふたつの技で自然に毛量を多く演出することが可能に」
実際の変化は以下の通り。
驚きの増毛風ヘアマジック、ご覧あれ!
【Before】
モデル君曰く「1年ほど前から髪が細く、柔らかくなってきた」そう。自然乾燥だと額がM字に割れてしまうように。以前は爆発するほど膨れた後頭部も、今はペタッとしやすいとか。
【HOW TO PROCESS】
1 長い、先細、ふわふわ動く前髪が薄さを強調
薄くなった額は、長さを残すと余計に目立つ。断面をそろえて短くカット!
2 やや丸みをつけながら前髪全体を整える
その後、前髪の中心からつながるように、サイドの前髪を微調整したのがこちら。
3 根元を起こすためにパーマを巻く
ボリュームのなくなった後頭部と先ほどカットした顔周り、はち上にパーマをかけて根元からふんわり感を出していく。
4 ハードワックスでシャープな動きをプラス
ワックスで毛束をつまんで動きを与える。気になる額は“Ⅴ字”に収まるように毛流れを眉間に寄せる感覚で。
【After】
ザクザクッとしたラインで額まわりがおしゃれな印象に。トップにも立ち上がりがついてアクティブなヘアに変身した。
360度チェック!
【Before】
【After】
【Arrange】
あえて中央の前髪だけ上げて、よりワイルドに。気になるM字部分は下げたままなので
輪郭もきれいに保てて小顔な印象だ。
★この技をマスター!
M字な額が気になりだしたら、先ずはスタイリング法を変えてみよう!
額の角が薄くなるM字薄毛の場合、隠そうとして“根元から毛先にかけて真っ直ぐに下すスタイリング”をしていないだろうか。
しかし毛が細くなるとホワホワと浮きやすく、むしろ、透け感が目立ってしまうのだ。この場合、「前髪の右半分は毛束ごと左に、左半分は毛束ごと右にひっぱった状態で、根元に温風を当てます。クセのある髪の場合、あえて毛流れと反対にブローすることで根元がニュートラルになり、扱いやすくなります。特に前髪のクセにこのテクニックは効果的です」
後頭部の薄毛は根元に温風をオン!
後頭部が薄い、ボリュームがない人は、パーマをかけるのが手っ取り早い回避法だか、ストレート派ならドライ法でカバーを。写真のように根元にしっかり温風を当てながら毛束を真上に引き出そう。この時、ボリュームアップタイプのスタイリング剤をつけてから行うこと。根元を起こすことでふんわり感が増し、薄毛がかなりカバーできるぞ
薄毛だけでなく、柔毛、ペタ毛にも活用できるのがうれしい。
覚えておくと便利なプロの技、上手に活用したい。
DAISUKEさん
青山のヘアサロンMAGNOLiAの店長を務める。美容の祭典・武道館で行われるナプラドリームプラスコンテストにおいて優勝。今年、最も注目される美容師のひとり。男性客も多く抱え、髪の悩みから最新のデザインまで懇切丁寧にアドバイスをしてくれると評判。
取材協力/MAGNOLiA
文/小澤佐知子