寒い夜にはアツアツのラーメンや鍋、熱燗などで身体を温めたくなるものだ。これは、冷えや風邪を予防するために好ましい行動と言えるが、塩分の濃いラーメンのスープを飲み干したり、練り物中心の鍋をつつきながらダラダラとアルコールを飲み続けると、翌朝のむくみや高血圧の原因となるので注意したい。朝、鏡を見て、いつもの男前がブルドッグ化していたら、もう人ごとではない。直ちにむくみ対策を講じる必要がある。そこで今回は、むくみやすい食事についてお教えしよう。
むくみの原因その1 塩分たっぷりのおいしい加工品
むくみの原因が塩分であることは広く知られているが、普段何気なく口にしているものが意外と高塩分であることを、男達は知るべきだ。例えば、インスタントラーメン、鍋のスープ、ウインナーやさつま揚げなどの練り製品には、塩分が多く含まれている。塩分摂取の基準(男性)は1日9g未満、1食あたりでは3g未満とされているが、インスタントラーメン1食だけで基準量の2/3を摂取してしまう。
【主な加工品に含まれる塩分量】
インスタントラーメン(1食分):5〜6g ※外食のラーメンの場合、塩分は1食あたり6〜8g
ストレートタイプの鍋のもと(1回分750mg):13〜20g
ウインナー(3本):1g
さつまあげ(1枚):1g
しかし、ありがたいことに、ほとんどの加工品には栄養成分表示がされている。買い物の際は、含まれる塩分量をチェックし、塩分の過剰摂取を回避しよう。ただし、塩分ではなくナトリウム量の表示の場合は、下記の計算式で塩分量を算出することが必要だ。
塩分量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000
むくみの原因その2 ダラダラ深酒
アルコールには、利尿作用や血流促進作用があるため、上手に飲めばむくみの予防も期待できる。ところが、深夜までダラダラと飲むことで、むくみの原因となる。その理由は、味の濃いおつまみが欲しくなることで塩分摂取量が増えてしまうこと、深夜まで飲むことによりアルコールの利尿作用が発揮できないことなどが挙げられる。大量飲酒の後すぐに寝てしまうと、睡眠中に分泌される抗利尿モルモンにより水分やアルコールの代謝物の排泄が妨げられるからだ。
深酒は、二日酔い、体臭、口臭、むくみなど、翌日に好ましくない現象を多く引き起こす最悪の行為とも言えよう。
〈まとめ〉加工品をセーブ、早めのお開きで男前キープを
塩分の多い加工品を控え、飲み会を早めに切り上げることで、翌朝の男前度は格段にアップする。さらに、体内のナトリウム(塩分の構成成分)を排泄しやすくするカリウムをしっかりと補給することもおすすめのむくみ対策だ。カリウムの豊富な食品と言えば、野菜・果物・きのこ・海藻・芋類。これらを塩分以外の味付けでとることで、むくみの予防になることを覚えておこう。日頃からむくみ予防を意識することで、高血圧やメタボ予防にもつながる。飲み会の多くなるこれからの季節、2次会・3次会を避けられないケースもあると思うが、グルーメンなら飲み会翌朝も爽やかな笑顔を振りまいて周囲と差をつけて欲しい。
文/お皿のフチこ
管理栄養士。クリニック・企業にて豊富なメタボ指導経験あり。世の男たちのメタボリスクを下げ、健康に過ごしてもらうべく、目的に合った食事の選び方、効果的な摂取法について発信。