栄養士は絶対にやらない!
ファスティングダイエットの罠

連載|Good Bye! メタボ

「糖質オフダイエット」「朝食置き換えダイエット」に続き、栄養士が絶対やらないダイエットとして紹介するのは「ファスティングダイエット」。医師や専門家の指導のもとできちんと行えば成功の可能性も高いが、こちらもリスクの大きなダイエットと言える。その理由をお教えしよう。

 

ファスティングダイエット

1日〜数日間、食事を摂らずに水や専用の酵素ドリンクのみで過ごすことにより、内臓を休めて機能回復をさせるダイエット方法。準備期間や回復期間を設けられることもあり、数回繰り返すことで大幅なダイエットも可能。デトックス効果が期待できる。ただし、医師や専門家の指導に基づき正しく行うことがマスト。短期間ではあるが心身共に負担は大きい。

 

このダイエットの危険性は、自己流で行った場合に多く潜んでいると言える。ダイエット中、めまいや倦怠感などの体調不良となるケースも多く、期間設定が長過ぎた場合は、生命に危機を及ぼす可能性もあるのだ。また、初めのうちは効果が高いが、続けるうちに体重の減少幅が小さくなる点も残念な点だ。

 

そして、最大のリスクはファスティングの終了後の食欲にある。意外なことに、食べ物を口にしないファスティングの最中は栄養豊富な酵素ドリンクと頑張っている充実感のおかげで食欲に悩むことは少ないもの。しかし、終了後の安堵が開放感に変わったとたん、じわじわと増大する食欲が何より恐ろしいのだ。ファスティング効果で消化器の調子も良くなっているため、食事が普段よりもおいしく感じられ、数日間かけてせっかく減った体重があっという間に戻ってしまい、結局は元より太ってしまったというケースが実に多いのだ。こうして食欲との戦いが続くことでストレスも大きくなり、その後のダイエットにも悪影響となる。

 

<ファスティングダイエットのデメリット まとめ>

・ダイエット中、めまいや倦怠感などの体調不良となるケースが多い

・続けるうちに体重の減少幅が小さくなる

・終了後の食欲増加を招きやすく、ストレスの原因にもなりやすい

 

文/お皿のフチ子

 

お皿のフチこ
管理栄養士。クリニック・企業にて豊富なメタボ指導経験あり。世の男たちのメタボリスクを下げ、健康に過ごしてもらうべく、目的に合った食事の選び方、効果的な摂取法について発信。