世界を代表するミス・コンテスト「ミス・ユニバース」の日本代表を決める「ミス・ユニバース・ジャパン」の男性版「ミスター・ジャパン」。3代目となる「2015 ミスター・ジャパン」として、秋田県出身の26歳、渡部純平さんがグランプリに輝いた。
ミス・ユニバース・ジャパンを主催するHDRによって、ミス・ユニバース・ジャパンと同じ開催日・同じ会場で行われる美の祭典の男性版。審査の基準は、外面的な美しさだけでなく、知性、感性、人間性、内面、自信を兼ね備えていること。
知性や感性、人間性など様々な要素が審査対象となる「ミスター・ジャパン」だが、グルーメンとして気になるのは、やはり鍛え抜かれた肉体美。囲み取材で、本人が「シックスパックの腹筋が武器です」と語っていたこともあり、早速グランプリ受賞直後の渡部さんを直撃。トレーニング方法について話を聞いた。
――ご自身の武器は「6パックに割れた腹筋」との事ですが、どのくらいの期間をかけて、どのようなトレーニングをしたのですか?
2年前からジムに通っていたので、元々、多少の腹筋はついていたのですが、ファイナリストとしての出場が決まってからの3ヵ月間は、トレーニングメニューを強化しました。やり方としては、昨年のミスター・ジャパンの橋本さんから「腹筋ローラーを使って鍛えるといい」とアドバイスを頂いたので、それを実践していました。ただ、最初はなかなか上手くできなくて。壁をストッパー代わりにして、壁に向かってやっていましたね。僕はフォーム重視でやりたかったので、ひざを曲げずに壁にしっかり当たるようにというメニューを毎日、10回3セットしました。
――腹筋ローラー以外にも、実践していたことはありますか?
負荷をかける腹筋と、回数をする腹筋を混ぜて毎日750回です。これは、普通の腹筋を100回、左右にねじる腹筋を100セット、お尻の下に手を入れて足を上げる腹筋を50回ずつ行い、これを続けて3セットするというものです。腹筋ローラーはフォームを意識してやっていましたけど、これは、形というよりも気合いで回数をこなす、という感じですね(笑)。ただ、腹筋だけついてもバランスが悪いので、腹筋、胸筋、背筋をバランス良く、逆三角形を目指して、腹筋以外にもトレーニングはしていました。
――食事も変えていたのですか?
はい。炭水化物を徐々に減らしながら、鶏ムネ肉と野菜中心の食事に変えていきました。今回はリミットがあったので、3ヵ月でメニューを組みました。僕は元々細型の体型なので、1月は土台を作るために1キロでも体重を増やそうと思い、過剰摂取にはならない程度に炭水化物を摂りながら筋トレをしていました。2月前半から徐々に炭水化物の量を減らしていき、2月半ばくらいから夜の炭水化物を禁止にしました。ファイナリストの合同トレーニングが始まった3月4日からは、炭水化物を一切食べていません。今日、本番直前に、筋肉を膨らませるために1週間ぶりにお米を食べました。
――すごい計画的ですね! どのくらいで、自分の体に変化を感じましたか?
自分の体が変わってきたと思ったのは2月中旬くらいです。実はファイナリストに選ばれるまで、体脂肪が12%を切った事がなくて、1月末の時点でもまだ11%だったんです。2月の2週目くらいに9%くらいまで落ちて、「ひとケタ台に乗った!」と思ったところから一気に絞り、今は、7%まで落ちました。今まで生きてきて、1番良い体に仕上がっていると思います。
――続けるコツってありますか?
「こういう体にしたい」とイメージして、トレーニング中もその筋肉を意識することが大事だと思います。僕は、トレーニング後の体の写真を撮ってインスタグラムにアップしたりして、記録を残していました。記録を残すことで「あの頃には戻りたくない」という気持ちにもなるし「ここまで変わった」という自信にもなるので、モチベーションが保てます。
あとは、ストレスを溜めないことですね。海外にいたことも影響していると思うのですが、海外ってフィットネス人口が多くて、それが健康やストレスアウトに繋がっていると思うんです。僕は「痩せる」のと「絞る」のは全く別のことだと思っていて、なるべく食べる量を変えずに、食べ物の種類とトレーニングで体を変えるのが理想なんです。脂質をなるべく摂らずに、タンパク質を摂って、体を動かすことでストレスも発散できたら健康的に絞っていけるはずです。
――なるほど。肉体以外に、変化を感じた事ってありますか?
精神的に変わりました。「ミスター・ジャパンには、今までの自分じゃなれないな。今の自分を越えていかないと」と常に思っていたので、トレーニングも「もう1セット」「もう1回」……って自分を追い込んで取り組んでいました。あと、自分の中で武器を持っていた方がいいなと思ってアルコールを断ったのも大きかった気がします。ちょっとしたことなんですけど、例えば周りのファイナリスト達がお酒の話をしていると「自分は飲んでない」ということが自信になるというか。「これだけ追い込んでいるんだから大丈夫」と思えることを自分に課し、達成したことで、強くなれた気がします。
――では最後に。渡部さんにとって「かっこいい男」とは?
ストイックな人。常に何かと向き合って追及している人。そういう人から刺激をもらうし、自分もそうありたいと思いますね。自分を追い込んで自信のある人は結果がついてくると思います。
――まさに、結果がついてきましたね! ミスター・ジャパン、本当におめでとうございます。
渡部純平(わたなべ・じゅんぺい)
1988年、秋田県出身。2014年にモデル修行のためシンガポールに渡り、帰国。秋田県代表として「2015 ミスター・ジャパン」ファイナリストに選出、見事グランプリに輝く。身長182センチ、体脂肪率7%。
撮影/高田みづほ
取材・文/GROOMEN編集部