まとめ
今回調査したプロテインに関して、各評価軸基準で見た結果を簡潔にまとめよう。その中でホエイプロテインとの違いにも触れていく。自分が重視したいポイントで特に優れているのはどのプロテインか、選ぶ参考にしてほしい。
1食あたりのたんぱく質量
筋肉の材料で、身体を強く大きくしていくために欠かせないたんぱく質。厚生労働省が推奨するたんぱく質の1日における摂取量は、成人男性で65g、成人女性で50gだ。しかし、1度の摂取で体内に吸収できる量には限りがあり、「摂れば摂るほど筋肉になる」という訳ではないので注意。1食あたり15~30gを目安として摂取するのがオススメ。
今回の調査ではたんぱく質量が10g台のプロテインが多かった中、唯一20g以上のたんぱく質を含んでいるのがこちら。
1食あたりのエネルギー量
見落としがちなのがエネルギー量、いわゆる「カロリー」だ。通常の食事で摂取するカロリーにプロテイン分がプラスされることを考えると、できるだけ低カロリーなものを選びたいところ。その点、ソイプロテインは全体的にカロリーが控えめの傾向。1食あたりのエネルギーが100kcal未満だったプロテインはこちら。
・マイプロテイン クリアヴィーガンプロテイン(54.0kcal)
・森永製菓 ウイダー おいしい大豆プロテイン(74.0kcal)
・明治 SAVAS(ザバス) ソイプロテイン100(79.0kcal)
・アサヒ ディアナチュラアクティブ ソイプロテイン(81.0kcal)
溶けやすさ
シェーカーで混ぜ合わせ、コップに注いだ段階ではどれもしっかり溶けているように見えたが、実際に飲んでみると粉っぽさや口の中に残る感じがするものもあった。コップを傾けた部分に膜のような跡が残るなど、全体的にホエイよりは溶けにくい印象。
飲みやすさの観点ではサラリとしたものが調査員から人気だった。とろみがあるものは満腹感が強く、間食代わりにも良さそうだ。
溶けやすさが高評価であることに加え、口当たり、のどごしの評価も高かったのはこちらのプロテイン。
1食あたりのコストパフォーマンスの良さ
成分が重要であることは言うまでもないが、1日あたり1~2回飲むことを考えると続けやすい価格であるかどうかもチェックポイントのひとつ。
ソイはホエイよりも安価な傾向があり、今回調査したプロテインもコストパフォーマンスに優れているものが多かった。中でも1食あたりの価格が100円以下となったのがこちら。
・マイプロテイン ソイプロテインアイソレート(56.5~80.6円)
・森永製菓 ウイダー おいしい大豆プロテイン(86.4~104.8円)
・明治 SAVAS(ザバス) ソイプロテイン100(97.2~110.4円)
美味しさ(編集部3人の評価の平均値)
どのブランドもホエイよりフレーバーの種類が少なめで、プロテインとしてオーソドックスな風味のものが多かった。フレーバーが特徴的だったのはマイプロテインのもの。
えんどう豆が原料のクリアヴィーガンプロテインは、見た目、風味、のどごしなどすべてにおいてジュースのようで調査員驚きの1品だった。含まれているたんぱく質量は多くないが、プロテイン全般に苦手意識がある人にもおすすめできる。
今回の調査で平均値が高評価となったのは以下のフレーバー。
・アサヒ ディアナチュラアクティブ ソイプロテイン ソイミルク味(4.6)
・明治 SAVAS(ザバス) ソイプロテイン100 ココア味(4.3)
・マイプロテイン クリアヴィーガンプロテイン Apple&Elderflower(4.0)
大豆に含まれるイソフラボンにはさまざまな健康・美容効果が期待できる。例えば、髪のツヤ・ハリを保ったり、血流を改善したり、皮膚や骨を強化してくれる働きが有名だ。
その他、若返りホルモンと呼ばれるDHEAの分泌を促す効果、コレステロール値を下げる効果があり、いつまでも健康で若々しくいたい人の味方と言える。さらには、抗酸化作用やコラーゲン・ヒアルロン酸の生成を促す作用により美肌効果も。イソフラボンは女性に人気の成分であるイメージが強いが、性別を問わず適度に摂取したいところ。
また、ソイプロテイン選びはたんぱく質以外の成分にも注目。エネルギー代謝を高めるビタミンB群は肉体疲労の解消やストレス疲労にも効果的。加齢により減少する骨格筋量の維持に重要なビタミンCや筋肉増強効果のあるビタミンDが含まれているとなお良いだろう。
結局のところ、ホエイプロテインとソイプロテインのどちらを選べばいいのだろうか?
ズバリ、がっちり筋肉のついた強靭なカラダを目指す人はホエイプロテインがオススメ。トレーニングで傷ついた筋肉をスムーズに回復させるためには、素早いたんぱく質の補給が必要。それには体内吸収速度の速いホエイプロテインが最適だ。また、筋肉中のスタミナ源となるBCAAを多く含んでいることも理由のひとつ。
ソイプロテインは、大豆から油脂を絞った後にたんぱく質を取り出すという製法により、ホエイよりも脂質が少なめ。ダイエット目的で低脂肪・低カロリーの食事を心がけたい人にピッタリだ。体内への吸収がゆっくりなので、満腹感が持続しやすく置き換えダイエットにも向いている。運動しない日のたんぱく質摂取にも良いだろう。先に述べた通り、健康・美容効果が高いことも見逃せない。
「体質的にホエイ(ソイ)プロテインが苦手…」ということがなければ、併用もオススメだ。トレーニング後はホエイ、就寝前や間食にソイといったタイミングごとの飲みわけで、両方のメリットを享受できる。
プロテインと一口に言っても自分に合うものを選ぶのはなかなか難しいが、試してみることで毎日飲み続けられるプロテインがきっと見つかるだろう。本記事がプロテイン選びに悩む人の手助けになれば幸いである。
※結果・感想は、編集部独自の検証によるものです。すべての人がこれと同じ結果を得られるとは限りません。